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「戦場でワルツを」で知られる
「アンネのバラ委員会」を擁し、1年を通して平和学習に取り組んでいる東京女学館。アンネが隠れ家生活を送りながら日記をつづった13歳から15歳にかけての年齢と同世代の学生たちが、映画を通して平和について考える試写会に参加した。“アンネのバラ”は1955年にベルギーで生まれた品種で正式には「アンネ・フランクの形見」と名付けられたバラのこと。日本へはアンネの父オットーから贈られたものが、平和を願う人へと伝えられ、東京女学館のほか日本全国の学校や地域で育てられているという。試写会では約50名の学生が5つのグループに分かれたワークショップ形式で、「アンネ・フランクと旅する日記」が描く平和のメッセージを考えた。
参加したほとんどの生徒が「アンネの日記」を読んでおり、学生からは「私たちと歳が離れていないのにこんな文章が書けるなんて、すごい文才。たとえ日記でも自分の心情をこんなに赤裸々に話せるのはすごい」、「もともとアンネに持っていたイメージは勉強もできる完璧な女の子。意外と恋の話だったり友達の愚痴だったり今の私たちと似ている部分があって、どこにでもいる女の子で共感できたし、親近感を覚えました。強制収容所で亡くなったことを知ったときは、自分たちと似ていると思ったからこそ、すごく苦しい、悲しいと思いました」とさまざまな感想が上がる。
「アンネの日記」を原案としながら、キティーの視点から大胆に物語を構築した「アンネ・フランクと旅する日記」。「なぜ主人公をキティーにしたのか?」という問いに対し、ある学生は「『アンネの日記』は私たちがアンネのことを知ることができる一番の資料で、アンネが唯一残してくれたもの。それをキティーがアンネの代わりに、現代の私たちに伝えることで、今世界で起こっている問題にも目を向けるきっかけを与えてくれていると思います」と語る。
映画はナチスによるユダヤ人の迫害を描いているが、その根底にある少数派への差別は現代の移民問題にも接続されていく。学生からは「少数派の人々への差別はアンネの時代だけでなく現代にも通ずること。アンネやその時代に起きた出来事を過去の出来事として考えてしまう傾向があり、日記を読んだり歴史を知るだけで、実は学びを得ていないのではと感じます。だから過去の出来事という枠組みで考えるのではなく、現代へつなげて考え、そして実践していくことで世界を変えていくことができるのではないかと考えます」という意見も。「この映画は私たちに何を伝えるのか?」という問いに対して、ある学生は「劇中で『アンネが伝えたかったことは子供たちの命を1人でも多く救うこと』だと、キティーが皆に向かってスピーチするのが印象的でした。差別をしてはいけないということ、そして1人でも多くの人の命を守るということが大切なのだと学びました」と話した。
最後にはフォルマンによる日本の観客へ向けたメッセージが紹介される場面も。「アンネ・フランクをしのぶということは、この映画の奥深いところ、つまり過去を思い出して学び、現代の戦地の子供たちを思うこと。2020年だけでも、1700万人の子供たちが戦地から逃げている。彼らは自分で選んだわけじゃない、逃げざるを得なかったんだ。移民の現状を知ることは非常に大切なことだと思う」というメッセージが学生たちに届けられた。
「アンネ・フランクと旅する日記」は3月11日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。
映画『アンネ・フランクと旅する日記』公式アカウント | 2022年3月11日公開 @anne_movie2022
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