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第72回ベルリン国際映画祭の長編コンペティション部門で審査員を務める濱口は「映画祭参加のために乗っていた飛行機を降りたら、米アカデミー賞に4部門ノミネートされていて、心の底から驚きました」と心境を吐露。「確実に言えるのは原作者・村上春樹さんの物語が持つ普遍性がこの評価の根底にはある、ということです」「この物語世界を身体化し、具現化する俳優たちの負担は計り知れないものがあったと思います」とつづった。
濱口とともに脚本を手がけた
「ドライブ・マイ・カー」は全国で公開中。
濱口竜介 コメント
ベルリン国際映画祭参加のために乗っていた飛行機を降りたら、米アカデミー賞に4部門ノミネートされていて、心の底から驚きました。作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞へのノミネート、信じられないような気持ちで未だにいます。ただ、確実に言えるのは原作者・村上春樹さんの物語が持つ普遍性がこの評価の根底にはある、ということです。心から愛する誰かを失ったとしても人生は続いていく。その人生は苛酷だけれど、ほんのひとつまみの希望もないわけではありません。ただ、この物語世界を身体化し、具現化する俳優たちの負担は計り知れないものがあったと思います。西島秀俊さんをはじめとする役者の皆さんの誠実な役への取り組みにも、この場を借りて敬意と感謝を表したいと思います。このノミネートがきっかけで俳優陣の素晴らしい演技、そしてそれを支えたスタッフたちの仕事がより多くの観客の目に触れることを願っています。
大江崇允 コメント
一番に思い出したのは、濱口竜介監督、山本晃久プロデューサーと初めて三人で飲んだ夜でした。
その時、おそらく今日を想像した人はいませんでした。
まさかこんなに遠くまで縁が繋がるものかと、映画の持つ力に本当に驚きました。
この賞も、これまで同様スタッフ全員のものだと思います。
そのスタッフ一人一人と繋がれたことが僕の一番の幸運です。
山本晃久 コメント
我々映画人の多くが、子供の頃に初めて観たのはアメリカの映画だと答えるでしょう。
わたしもその一人でした。
物語はドラマチックで、映像や音は迫力と躍動感に満ち、俳優たちはみな魅力的でした。
世界中に影響を及ぼした映画史を持つアメリカは、まさに映画の王国です。
そんな国の最高峰である米国アカデミー賞でノミネーションを果たせたことは、まさに夢のような出来事としか言いようがありません。
濱口竜介監督、そして一緒に映画をつくりあげた素晴らしい仲間たちと共に、「ドライブ・マイ・カー」を選んでくださったアカデミー会員の皆さんへ、心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
本作を選んでくださり、本当にありがとうございました。
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「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介、アカデミー賞ノミネートに「心の底から」驚く
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