17日の初日には、地元の宮城・仙台で20年ぶりに再会した2人の女性のすれ違いを描く第3話「もう一度」から
「10日間も本読みをすると、どうなるのか?」という質問に、占部は「セリフを覚えていく(笑)。そして『セリフ覚えましたね』って監督が喜んでくれる(笑)。優しいですよ」と笑顔で話すと、河井も「台本は読まなくていいよ、セリフは覚えなくていいよ、セリフが言えたら『すごいね』って(笑)」と濱口独特の演出を明かした。濱口は「本当に感動しちゃいました。自分が書いたテキストですが、お二人がやるとこうなるのかっていうところがあって、単純にお二人のファンとして楽しみました。ありがとうございます」と感謝を伝える。
18日昼の上映回には自分の元彼を親友が意識し始めたことで思案するモデルを主人公にした第1話「魔法(よりもっと不確か)」から
玄理からは古川演じる芽衣子とのタクシーでの会話シーンの前段階や中島演じる男性との出会いなど、映画本編にはないシーンの撮影があえて行われていたことも明かされた。濱口は「そっちのほうがやりやすいんじゃないかと思ったからです。役者さんの想像力はすごいので、最終的にはそれに頼らないといけないけど、“体験”することの密度は大きいと思います」と意図を説明。玄理は「それはすごく助けになったし、これまでもそういう部分を想像してやっていましたが、実際に演じてみると、より深く演じられて、感情の準備も肩の力を抜いてできました」と語った。
18日夕方の上映回には芥川賞作家の大学教授と彼に恨みを抱く男子学生、そして1人の女子学生の関係を軸にした第2話「扉は開けたままで」から
甲斐はリハーサルで濱口から「自分の胸の中に“鈴”があると思って、相手のセリフを受けて鈴が鳴ったと思ったら返してください」「相手の鈴を鳴らすつもりで話して」と言われたそう。渋川は「わかるはずがない」と笑い、森は鈴と聞いて「ドラえもんの絵が浮かびました(笑)」と当時の困惑を明かす。甲斐は「『本当に届くってこういうことなのか?』と思ったりしましたけど『(相手の胸の中の鈴が)鳴った!』と思ってるときほど、鳴ってないんです……」と撮影を振り返った。
第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞した「偶然と想像」は、東京のBunkamuraル・シネマほか全国で公開。
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