「<角川映画祭>『迷宮物語』公開記念トークイベント」が本日11月28日に東京・EJアニメシアター新宿で行われ、同作の一編「工事中止命令」の監督である
これは11月19日より開催されている「角川映画祭」内のイベントとして企画されたもの。「
制作当時はマンガ「AKIRA」の隔週連載中だったという大友。「元マッドハウスの丸山正雄さん(現MAPPAの代表取締役会長)から短編を1本作ってみないかとお声がけいただいて。15分くらいの作品だったらできるんじゃないかと、二つ返事でお答えしました」と経緯を説明し、「1週間で『AKIRA』を描いて、そのあと徹夜明けでマッドハウスに(アニメ制作をしに)行っていました。現場では絵コンテやレイアウトもたくさん描かせてもらって。新しいことを覚えるのが本当に楽しかったんです」と振り返る。
大友は「工事中止命令」で背景原図も手がけた。裏話として「制作後に『あれどこにいったの?』と聞いたら、『1枚も残っていないです』と言われて(笑)。コピーもしていなかったので、原画もレイアウトも手元に残っていないんです。本当は全集にも入れたいんですけど。まんだらけで売られているのかな」というぼやきも。また南阿佐ケ谷にあった当時のマッドハウスについて「初めて行ったときはスラムかと。びっくりしました。昼間に行くと誰か寝ていたりして、それも楽しかった。マンガはアシスタントと家で描きますけど、あんなに大勢で作業をするのがうらやましかったです」と思い出を語った。
また「ワールド・アパートメント・ホラー」「蟲師」といった実写映画も監督している大友は、実写とアニメの制作の違いを「アニメは一から自分で作れるけど、実写映画は分担作業じゃないですか。いろんなものが頭の中でイメージできてしまうので、思い通りにならないという現実とのギャップが難しいですね。ただアニメはどこにでも自分の色が出てくるので、作る前にどれくらい勉強しているかとか、どれくらい世界に目を向けているかが重要になってくる。そんなに引き出しはないので、厳しい中でやりくりしながら作っています」と説明。さらに「アメリカはスタッフ枠が細分化されているけど、日本は監督が1人で作っているところがある。カリスマ性が求められるというか。監督というより、どこか作家に近いんですよね。新しい作品を観に行くというよりは、監督の作品を観に行く感覚に近い」と日米の違いについて持論を展開した。
「角川映画祭」は角川映画の45年記念企画。「犬神家の一族」の4Kデジタル修復版など全31作品が上映される。東京・テアトル新宿、EJアニメシアター新宿ほかでも開催。
角川映画祭
東京都 テアトル新宿 2021年11月19日(金)~12月16日(木)
東京都 EJアニメシアター新宿 2021年11月19日(金)~12月9日(木)
大阪府 シネ・リーブル梅田 2021年12月~
埼玉県 ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールB 2021年11月19日(金)~
<上映作品>
「犬神家の一族(4K修復版)」
「天河伝説殺人事件」
「復活の日(4K修復版)」
「里見八犬伝(4K修復版)」
「蔵の中」
「人間の証明(4K修復版)」
「スローなブギにしてくれ」
「麻雀放浪記」
「蘇える金狼(1979年)」
「野獣死すべし(1980年)」
「ねらわれた学園(1981年)」
「時をかける少女(1983年)」
「Wの悲劇」
「早春物語」
「汚れた英雄」
「天と地と」
「セーラー服と機関銃」
「友よ、静かに暝れ」
「花のあすか組!」
「探偵物語(4K修復版)」
「メイン・テーマ」
「黒い家(1999年)」
「晴れ、ときどき殺人」
「二代目はクリスチャン」
「ボビーに首ったけ」
「幻魔大戦」
「カムイの剣」
「時空の旅人」
「ファイブスター物語(ストーリーズ)」
「
「戦国自衛隊」
大友克洋の映画作品
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たいぷかのん/スーたん @typekanon
【イベントレポート】大友克洋、「AKIRA」連載中に徹夜明けで短編アニメ制作の日々「本当に楽しかった」 https://t.co/xwyRBRNbUm