「彼女が好きなものは」監督がQ&A登壇「これは青春映画」、韓国での反応にも興味示す

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彼女が好きなものは」が本日11月6日に第34回東京国際映画祭で上映され、東京・TOHOシネマズ シャンテで行われたQ&Aに監督の草野翔吾が参加した。

第34回東京国際映画祭のQ&Aに参加した草野翔吾。

第34回東京国際映画祭のQ&Aに参加した草野翔吾。

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浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」を映画化した本作では、ゲイであることを隠しながら生活する高校生・安藤純と、BL好きを隠している同級生・三浦紗枝の関係が描かれる。神尾楓珠が純、山田杏奈が紗枝を演じた。

左から草野翔吾、MCを務めた市山尚三。

左から草野翔吾、MCを務めた市山尚三。[拡大]

草野は映画化の経緯を「2018年末から2019年初めくらいに、プロデューサーの前原(美野里)さんから原作小説とお手紙が送られてきたのが最初です」と説明。続けて「身近な話なのに今まで見えていなかったことが赤裸々に描かれていて、小説を読んで久しぶりに泣いてしまいました。自分で本当に大丈夫なのか、やりたいけど怖い、という思いはありました。でもプロデューサーがとても真剣な気持ちで映画化しようとしているのを知って、僕も全力でこの題材に向き合いたいと、監督を務めさせていただくことになりました」と振り返った。

観客からは、クラスメイト同士のディベートシーンの演出について質問が飛んだ。韓国で行われたワールドプレミアでも同様の声が上がったと話した草野は、「生徒役のオーディションで、実際にあのようなディスカッションをしてもらいました。その中で僕がグサッときた言葉を集め、セリフとして脚本に落とし込んでいます」とコメント。また「韓国の皆さんは生徒たちの言葉を前向きに捉えているのかなと感じたのですが、僕にはあの言葉の数々は危ういものとして聞こえます。字幕ではニュアンスがちょっと変わっているのか、日本と韓国で捉え方が違うのか、興味を持っています」と語った。

話題は劇中のカミングアウト描写にも及び、「カミングアウトという言葉がなくなるくらいフラットになればいいですよね。この作品が、LGBTQを描いた映画だと特別言われない日が来るのが理想だろうなと思います」と述懐。加えて「実は原作から大事なシーンを切っています。そこで原作と映画の思いが違うとわかっていただけると思います」と映画に込めた意図を明かした。

草野翔吾

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観客からは「この作品は青春映画、学園ものだと思って観に来た」というコメントも。草野は「大きく分けたら、これは青春映画だと考えています。青春映画を観るのも好きですし、撮りたいという思いが僕の中にありました」と笑顔を見せ、「高校生は自分が主役だとまだギリギリ思っている年齢。クラスメイト1人ひとりに役名、設定、演出を決めました。それがしっかりできれば、リアルで嘘くさくない青春映画になるのでは思います」と持論を展開した。

「彼女が好きなものは」は、12月3日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。

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(c)2021「彼女が好きなものは」製作委員会

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