「時の解剖学」監督、“時間”への強い興味指摘される「変化を止めることはできない」

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第22回東京フィルメックスのコンペティション部門出品作「時の解剖学」が、本日11月4日に東京・有楽町朝日ホールで上映。監督を務めたジャッカワーン・ニンタムロンがリモートでQ&Aに参加した。

左から第22回東京フィルメックスのプログラムディレクターを務める神谷直希、ジャッカワーン・ニンタムロン。

左から第22回東京フィルメックスのプログラムディレクターを務める神谷直希、ジャッカワーン・ニンタムロン。

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「時の解剖学」

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本作の舞台は、1960年代後半と現代のタイ。ある女性の人生と、交錯する国家の負の歴史が描かれる。今作は「自分の親、特に母にインスピレーションを受けた」物語だと語ったニンタムロン。「脚本執筆における大きな問いとして、母が長年夫の介護をしてきた目的、忍耐の意味を知りたいというものがありました」と続ける。

時代が交差する構成について尋ねられ、ニンタムロンは「構想はもともとありましたが、編集段階でも実験的にいじりました。担当者には『時間の本質を捉えたい』と伝えておいたんです。時間とはなんなのか考えながら編集しました」と答えた。前作「消失点」も観たという人物から「監督は時間に対する興味が強いようだ」と指摘があると、「私たちは歳を重ねていくと、かつての自分と違うものになります。『同じ川に二度と足を踏み入れることはない』という言葉がありますが、人は成長するし、川の同じ場所に戻って来てもまったく同じというわけではない。私はそこを掘り下げています」と述懐。また「私たちは過去に囚われたままではいられない。それを受け入れて抱擁し、変化を止めることはできないと考えるしかない」と論を展開した。

ジャッカワーン・ニンタムロン

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さらに前作との比較は続き、ニンタムロンは「今回はリアリズムを大事にしました。役作りもメソッド的に行っていて、自分の母親の家で時間を過ごし、撮影もしました」と語る。撮影に関しては「ナチュラルなスタイルの画にしたいと思い、特に自然のカットでそれを感じられると思います」と意図を述べ、「蜂の巣のシーンは数カ月時期を待ちました。犬のお産もタイミングを図りましたし、子犬の成長した姿を撮ろうと待って、忍耐が必要でしたね」と笑顔で振り返った。

第22回東京フィルメックスは11月7日まで有楽町朝日ホールほかで開催中。

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マサ・ッそ凸 @masassoDECO

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