第22回東京フィルメックスのコンペティション部門出品作「永安鎮の物語集」が本日11月3日に東京・有楽町朝日ホールで上映され、監督のウェイ・シュージュンがリモートQ&Aに登場した。
カンヌ国際映画祭の監督週間でワールドプレミア上映された本作は、映画の製作チームが撮影準備のために中国・湖南省にやって来たことから派生する物語を3部形式で描く作品。映画製作が地方の田舎町に引き起こす波紋が切り取られる。
「日本で初めてこの映画を観ていただくことになりうれしいです」と喜ぶウェイ・シュージュン。本作の構成について質問が飛ぶと彼は「まず第1部は外へ出て行くことに憧れている若い母親が主人公の話です。ある日映画の撮影隊がやって来て、そこから波紋が生じていきます」と述べ、「2部の主人公は自分の故郷に帰ってきた有名な女優。彼女はシンプルにかつて自分が住んでいた場所を懐かしんでいますが、故郷の人と出会って波紋が生じるんです。そして3部では、1部2部で波紋を生じさせた張本人が描かれる。そのように物語を作りました」と語る。本作に実体験が反映されているのか問われたウェイ・シュージュンは「私自身は映画の中の監督とは違います。あんなに偉そうな感じではないです。脚本家とはよくコミュニケーションが取れています」と答えた。
ディエゴ・アルマンド・マラドーナに関するエピソードが登場する本作。ウェイ・シュージュンは「この映画を準備しているときに、マラドーナが亡くなったことを知ったんです。映画の中で監督と脚本家はひたすら議論して結果が出ませんが、そこでマラドーナが亡くなったというエピソードを入れ込むことによって、2人の争いなんかどうでもいい、ちっぽけなことだという感覚を表現したかったんです」と説明する。
最後にウェイ・シュージュンは「コロナもある中、映画を観に来てくれてうれしいです。感謝しています。実際に皆さんにお会いできないのは残念です。今後はリアルでお会いしたいです。僕の映画をお気に召していただけたら、友人に紹介してください」と呼びかけた。
第22回東京フィルメックスは11月7日まで有楽町朝日ホールほかで開催。
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映画製作が田舎に起こす波紋描く「永安鎮の物語集」ウェイ・シュージュンがQ&A登場
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