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窪美澄の短編小説を
家事を日常的にこなす陽を演じた志田は「恥ずかしながら、私は今まで洗濯機を一度も自分で回したことがなかったんです」と言い、「このままでは家事をするさまが自然に見えないなと思い、緊急事態宣言中に一から母に洗濯のやり方を教わり、料理の献立を考えて家族の分も作っていました」と振り返った。
井浦は陽の父親・直のキャラクターを作り上げるため、今泉と丁寧にやり取りを重ねたという。「映画音楽を作る仕事をしている直は、どんなおうちで過ごして、どんな仕事道具を使っているんだろうと。洋服はナイロンなのかコットンなのか、大きさはジャストサイズなのかオーバーサイズなのか。眼鏡をかけようという話になって、私物の眼鏡もいくつか持って行きました」「そういう外側の話をしていきながら、じゃあこの人は陽とどういう距離感なんでしょうかね、と」と過程を説明した。
直の再婚相手・美子役の菊池は「この役をもらったタイミングは、私が2人目を出産した直後だったんです。無理を言って、現場に子供を連れて行かせてもらっていました」と回想。そして「物理的に母にはなっているけど、私は私。母と娘についてすごく考えていたタイミングでした。母だけど私の中にも少女、娘としての気持ちがある。そういう思いを持って、陽ちゃんと素直に向き合えたらいいなと思ってやっていました」と続けた。
陽の同級生を演じた鈴鹿は、本作の撮影で初めて共演した志田とのエピソードを披露。「撮影初日に僕が控室で寝ていたら、うさ耳のアプリフィルターで志田さんに写真を撮られて。それが同級生役たちのトークルームに送られていたんです。『この人寝てる』みたいな(笑)」と明かした。それを聞いた志田が笑いながら「鈴鹿くんは背が高いので、広くない控室の半分以上を占領して寝ていたんです。井浦さんもいらっしゃるクランクインの日に、勇敢な男の子だなと。だからかわいくしてあげようと思って」と言うと、鈴鹿は「事務所の人に怒られてきます……。でもそこから打ち解けられました。ありがとうございました」と恐縮しきりだった。
イベント終盤には窪からの手紙が読み上げられる場面も。窪はスタッフ・キャストと観客への感謝を述べつつ、「家族のあり方、親子の形、それが世間で言われている普通の家族からどんなに遠くても間違ってはいないというメッセージを丁寧に丁寧に描いていただきました」とつづり、登壇者たちを喜ばせる。
また本日登壇予定だったものの、体調不良により欠席した今泉からの手紙も到着。「観客の皆様の顔を見たくて正直多少無理をしてでも登壇しようと思ったのですが、映画『かそけきサンカヨウ』に出てくる大人たちは、みんな正直で、強がらずに生きています。ここで無理をすることこそ、この映画のメッセージに反しているのかな、なんて考え、きちんと休もう、みんなに甘えようと決めました」「私が休んでいることも、今一生懸命生きている人への何かしらのメッセージになれば幸いです。皆さんもつらくなったら休むことを忘れずにいてくださいね」という今泉の言葉を代読した井浦は、「素敵なメッセージです」としみじみ口にしていた。
「かそけきサンカヨウ」は全国でロードショー。
志田彩良の映画作品
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「かそけきサンカヨウ」現場で寝ていた鈴鹿央士、志田彩良に“うさ耳”姿にされる(写真13枚)
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