「スパイの妻」アジア・フィルム・アワードで作品賞に輝く、蒼井優と蒔田彩珠も受賞

第15回アジア・フィルム・アワード（AFA）の受賞結果が明らかに。黒沢清が監督を務めた「スパイの妻（劇場版）」が最優秀作品賞など3部門で最多受賞を果たした。

2007年に創設されたAFAは、その年のアジア映画、アジアの映画人を表彰しスポットライトを当てるもの。授賞式は現在、韓国で開催中の釜山国際映画祭の協力のもと、釜山の会場への招待とオンライン参加のハイブリット形式で行われた。

「スパイの妻（劇場版）」は日本勢としては「万引き家族」が受賞した2019年以来の最優秀作品賞となった。同作では蒼井優が最優秀主演女優賞、衣装デザインの纐纈春樹が最優秀衣装デザイン賞を受賞している。世界で70を超える国と地域で劇場公開された「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、大ヒットの実績が評価され「2020 Highest-Grossing Asian Film Award」を獲得。同作は2021年5月24日時点で全世界の興行収入が約536億円を突破し、アニメ作品として過去最高の興行収入を記録した。

また河瀬直美の監督作「朝が来る」で実の子を育てることができなかった少女・片倉ひかりを演じた蒔田彩珠が最優秀助演女優賞を獲得。選出を受け、蒔田は「素敵な賞をありがとうございます。まさか自分が受賞できるとは思っていなかったのでとても幸せです。発表の瞬間に立ち会ったのが初めてだったので、ドキドキソワソワしました。自分が誠心誠意取り組んだ作品が、沢山の国の方に観て頂けていることが、とても嬉しいです。いつかオンラインではなく、実際に釜山に行けたらいいなと思います。ありがとうございました」と喜びのコメントを寄せる。

そのほかの受賞結果は下記の通り。

第15回 アジア・フィルム・アワード 受賞結果

最優秀作品賞

「スパイの妻（劇場版）」

最優秀監督賞

チャン・イーモウ「One Second（英題）」

最優秀新人監督賞

ホン・ウィジョン「声もなく」

最優秀主演男優賞

ユ・アイン「声もなく」

最優秀主演女優賞

蒼井優「スパイの妻（劇場版）」

最優秀助演男優賞

キム・ヒョンビン「無聲 The Silent Forest」

最優秀助演女優賞

蒔田彩珠「朝が来る」

最優秀新人俳優賞

リウ・ハオツン「One Second（英題）」

最優秀脚本賞

チャイタニヤ・タームハネー「夢追い人」

最優秀編集賞

LI Yongyi「Cliff Walkers（英題）」

最優秀撮影賞

マスード・アミニ・ティラニ「荒れ地」

最優秀音楽賞

Day TAI「狂舞派3」

最優秀衣装デザイン賞

纐纈春樹「スパイの妻（劇場版）」

最優秀美術賞

ケネス・マク「Limbo（英題）」

最優秀視覚効果賞

ティム・クロスビー、Joy WU「エイト・ハンドレッド 戦場の英雄たち」

最優秀音響賞

Nopawat LIKITWONG 「Limbo（英題）」

Excellence in Asian Cinema

イ・ビョンホン

2020 Highest-Grossing Asian Film

「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」