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本作は、妻を愛してやまないお人好しな鳥類学者・相馬日和と、日本初の女性総理大臣に選出された妻・凛子の激動の日々を描いた政治コメディ。公開後の反響について日和役の田中は「僕は試写会で観て後半ずっと泣きっぱなしだったので、それが自分だけだったのか確かめるためにも、みんなに観てくれって言ったんです。僕がそう言うのも珍しいらしく、友達がけっこう観てくれました」と語る。凛子役の中谷が「日和くんは働く女性にとっても、働いていらっしゃらない女性にとっても理想の夫じゃないかなと思います。実際そのようなお声もたくさんいただきました。皆さんいかがですか?」と会場に投げ掛けると、観客は大きな拍手で応えた。
イベントには原作者の原田マハもフランス・パリからリモートで参加。原田は物語を着想した当時を振り返り「10年近く経ち、世の中の状況も変わったと思うのですが、当時は今よりさらに女性の立場が注目されにくかったんです。日本のリーダーは女性が少ないと懸念していまして、総理大臣が女性だったらどうだろうと思うところから着想しました」と話す。続けて「“女性の総理大臣とそれを支える夫”という設定が残念ながら当時はファンタジーだとも感じられたので、思い切ってキャラクターもファンタジーにしようと。多少現実離れした人なのだけれども、社会をよりよくしようとする凛子を支える心優しい人に仕上げたかったんです」と述べ、「田中さんの優しいところ、お茶目なところ、巻き込まれてしまっているところが、私の思い描いていた日和に近く、非常に感動深く観ることができました」と絶賛。これを受けた田中が「うれしいです。素が出たのかな、と思っております」と口にすると、中谷が「えっ?」とツッコミを入れ、会場は笑いに包まれた。
一方、凛子に関して原田は「自分の理想を全部描いたので、かっこいい女性ですね。ハンサムな人で、さっそうとしていて、凛としていて、どんなことにも屈しない、未来を見据えてリーダーシップを持った人であってほしい。とは言え、独りよがりではなくて、周りを思いやり、周囲に気を配れる、そんな女性がリーダーとして現れてくれたらどんなに素晴らしいだろうと思っていました」と言い、「実は頭の中で完全に中谷さんを妄想していたので、この役を演じていただけることになって、“私の妄想がリアルになるの!?”と、とてもうれしかったです」と述懐。中谷は「大変おこがましいことでして、宣伝用のリップサービスかなとずっと思っていたんです。ありがたいことです。素が出ちゃったかな?(笑)」と喜んだ。
撮影中に「何か新しい発見や経験はありましたか?」と原田から質問が飛ぶと田中は「中谷さんは意外とお茶目(笑)」「どうやって話し掛けようといろいろ不安もあったのですが、意外とおとぼけさんなところもありました」と伝える。中谷は「この作品はただのコメディではないので、夫婦愛であるとか、国民の命と新しい命を天秤にかけるシーンもあります。そんなときに田中さんがそういう雰囲気を自然と作ってくださるので、私が努力をしなくても、自然と凛子になれて、自然と涙が出てくる。とっても楽だったんです。そういう共演者に恵まれるのはありがたいことです。いい本があって、いいスタッフがいて、いい共演者がいると無理をしなくても自然と役にさせてくださるんだなということを改めて思いました」と田中をたたえた。
河合勇人が監督を務めた「総理の夫」は全国で公開中。
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