「
本作は「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で知られる庵野が1971年放送の「仮面ライダー」をベースに描く作品。会見では池松が主人公の本郷猛 / 仮面ライダー、浜辺がヒロインの緑川ルリ子を演じることが発表された。池松は数日前のアクション練習で靭帯を損傷し、松葉杖をついて登壇。これから始まる撮影に支障はないものの、ギプスを1週間外せないという池松は「『改造手術にちょっと失敗しただけで撮影には支障がないようだ』と書いていただけると」と冗談交じりに挨拶する。ちょうど1年ほど前に企画を知ったという池松は「庵野さんが仮面ライダーを準備していることにものすごくワクワクしました」と述懐。オーディションを経て主演に起用されており、庵野は「僕の中で本郷猛は藤岡弘、さんのイメージが強い。これを踏襲しても自分では消化できない。別のキャラクターとして本郷猛を作らざるを得ないときに、池松くんが演じるなら、違う本郷猛になってくれるんじゃないかと思った」と決め手を語る。
熱心な「仮面ライダー」ファンとして知られる浜辺は「小さい頃から観てきた仮面ライダーはヒーローのような心の希望の存在。庵野さんが原点を描くとどういう物語になるのか。ヒロインとして出演できることは本当に驚きでした。撮影に向けて、とても緊張しています」と挨拶。出演のきっかけは、庵野がヒロインのキャストに迷っていた時期、浜辺の所属事務所である東宝芸能のカレンダーを偶然見たことだったそう。「ちょうど浜辺さんの月で。『この子いいな』とカレンダーで決めました。そのあと(浜辺が主演する)『賭ケグルイ』の映画を観て、自分の勘は正しかった、と。東宝(芸能)のカレンダーも役に立つね」とほほえむ。出演までの経緯を知らされていなかった浜辺は「カレンダーを発行しているかいがありました。8月でよかった(笑)」と驚いた。
仮面ライダーや怪人、バイクなどのデザインは出渕裕、山下いくと、前田真宏が手分けして担当したことを庵野が明かす場面も。イベントでは劇中に登場するオートバイ、サイクロン号のニューデザインもお披露目。庵野は「サイクロン号に関してはほとんどが山下くん。50年前のイメージが離れなくて、そのラインを踏襲しつつ現代風にしたかった。こういう形にしてくれたのでよかった」と満足げ。仮面ライダーと怪人は主に出渕と山下が担当したそうで、庵野は「特にライダーは二転三転したんですが、最終的には50年前のイメージに戻るんだな、と。同じように作ったスタチューが展示されているので、ご覧いただければわかると思います」と続けた。
記者から脚本の感想を聞かれた池松は「とても興奮しています。温故知新と言いますか、庵野さんが古きものをなぜ今進化させるのか。今の社会にはびこる問題もびっしりと詰まっています。とてもタイムリーな内容」と述べつつ、「何よりかっこいいです」と吐露。浜辺の口からは、台本が1幕から4幕に分かれていることが明かされる。「こういう台本は初めて。また『仮面ライダー』を観てきた方がちょっと疑問に思っているような部分、その理由や成り行きが詰め込まれている。すごく納得しながら、ページを捲るごとに興奮が高まっていきました」と語った。
本日付の朝日新聞に「子供の頃から続く大人の夢を」というコピーと、仮面ライダーのスーツをまとった庵野の写真で広告を出した東映。庵野は「今朝、新聞を見せられて怒っちゃったんです。あれだと僕が50年前に考えて、観たいと思っていた『仮面ライダー』を作るような印象」と苦言を呈しつつ、「僕だけが楽しいものにはしたくなくて、観客の皆さんが面白いと思ってくれる作品にしていきたい。夢うんぬんではなく、同じ世代の人たちに今『こういう仮面ライダーもいいな』と思ってもらえるような作品を作りたい。そしてちょっと下の世代、平成、令和から観た人たちにも楽しい、面白いと思ってほしい」と意気込みを述べる。「仮面ライダー」の話は「一晩中できます」と豪語し、初代から平成、令和にかけてのライダーへの思いと愛を語った庵野。近年は忙しくニチアサでのリアルタイム視聴はできておらず、東映特撮ファンクラブを利用しているそう。会見の後半には「ニチアサのライダーとは違う、新しいラインを作れないかなという考えもあります。これは東映さんへのサービス。もう1本、商売できるものを作ろうよと思っています」と展望も語った。
10月1日から12月19日にかけて国立新美術館で開催される「庵野秀明展」をひと足早く見学したという池松と浜辺。池松は「まったく時間が足りない。ものすごい数の展示。天才の部屋、頭の中、おもちゃ箱を存分に見ることができる。僕も改めて来ようと思います」とアピールする。展覧会は「庵野秀明をつくったもの」「庵野秀明がつくったもの」「そして、これからつくるもの」というコンセプトのもと計5章で構成され、展示数は1500点以上に及ぶ。庵野は「実はこれでもほんの一部。残っているものをなんとかかき集めた。(展示は)日々、増えていくと思います。初日が一番少ないので、初日に来た方は後半に来ると、変わった部分がわかると思います」と続けた。
「第1章 原点、或いは呪縛」では庵野が影響を受けたアニメ、特撮、マンガ作品を紹介。スーツや模型といった立体造形物、原画などの制作資料、本編映像などの数々を見ることができる。「第2章 夢中、或いは我儘」では中学生時代に描いた油彩画に始まり、高校・大学時に自主制作したフィルム作品、アマチュア時代のアニメーション、そして社会現象を巻き起こしたテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」制作時までの軌跡をたどる。「第3章 挑戦、或いは逃避」では自己最高の興行収入100億円を突破した「シン・エヴァンゲリオン劇場版」までの道のりに着目。そして「第4章 憧憬、そして再生」では公開を控える「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」、「第5章 感謝、そして報恩」では庵野の作品作りだけではないアニメや特撮との関わりにスポットが当てられた。
「シン・仮面ライダー」は2023年3月の公開を予定。会見で披露されたプロモーション映像のAとBはYouTubeで公開中だ。
関連記事
池松壮亮の映画作品
リンク
未来 💫⭐︎ @usausa77mi
事前に行われていた〝庵野秀明展〟の記事🥰
監督の〝こだわりと作品愛が半端ない〟です✨
仮面ライダーの話は一晩中出来るというコメントも! なるほど☺️
私の妄想入ってますが誰に向けてのコメントかすぐ分かりました
#シン仮面ライダー
#救世主
#秘密のたからばこ
https://t.co/gGS3uINh7I https://t.co/nvDHwWgZsF