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吉田が自身のオリジナル脚本を映画化した本作は、万引き現場から逃げる途中で車にひかれた中学生の死亡事故をめぐる物語。古田が娘を失った漁師・添田充、松坂が事故のきっかけを作ってしまったスーパーの店長・青柳直人を演じたほか、充の元妻・松本翔子に田畑、充の弟子である漁師・野木龍馬に藤原、直人が店長を務めるスーパーのパート店員・草加部に寺島、充の娘・花音に伊東が扮している。
撮影は最初の緊急事態宣言が発出される直前に行われた。古田は「非常に楽で楽しい現場。ずっとヘラヘラして撮影していて、監督が誰よりも笑ってるし泣いてましたね」と振り返り、「ものすごく刺々しいシーンばかり。その反動で、終わったらすぐ飲みに行く感じでした」と明かす。しかし、松坂と飲みに行く機会はなかったそう。古田が「(松坂が)役作りをする人なんでね……あんまり仲良くしちゃいけなかったんです」とボヤくと、松坂は「古田さんとのシーンはカロリーの消費量が高い(笑)。とてもじゃないけど、飲みに行く気力が湧かなくて毎回疲弊しきって、そのままホテルに帰ってました」と続けた。
役柄上「ずっと謝っていた」という松坂に「でも一番つらかったのはしのぶちゃんとのシーンでしょ?」と振る古田。寺島が演じた草加部は窮地に追い込まれる青柳をかばう存在だ。学生時代にスーパーでアルバイトをしていた松坂は、寺島との共演を「当時一緒に働いていたパートの方の1人と雰囲気が本当に似ていて。距離感、間合いの取り方がものすごくリアル。バイト時代を鮮明に思い出しました」と回想。寺島はこのエピソードを受けて「『こういうおばさんいたら嫌だよね』というおばさんが集結したのが草加部さん(笑)。でも青柳を助けてあげたいという気持ちはとても必死。撮影現場でも(松坂から)距離を取られてましたね」と笑った。
藤原と伊東は古田と共演した際の驚きを述懐。充が定食屋で号泣するシリアスな場面にて、古田はカットがかかった瞬間にテーブルのエビフライを口に放り込む切り替えの早さを見せたという。藤原は「とても混乱しました」と振り返りつつ「現場では真面目な話をした記憶がほとんどなくて、ずっとお酒を飲んでました(笑)。でも完成した映画を観たとき『こんなすごい人だったのか』と驚きました」と続ける。伊東も「初めてお会いしたのが食卓のシーンだったんですけど、並んでいたお刺身を本番中にどうやって食べるか悩んでらっしゃいました」と明かした。
全国的に満席回が続出し、口コミでも評判を呼んでいることがMCから伝えられると、古田は「うれしいですね。こんなモヤモヤした気持ちになる映画を『ぜひ観てください』と進めるのもな……という気がしていて、どう宣伝したらいいのかわからなかったので(笑)」とコメント。「気持ちが揺れる映画だと思うので、観終わったあとにみんなでマスクしておしゃべりしてもらえたらと思います」と述べ、イベントを締めくくった。
※吉田恵輔の吉はつちよしが正式表記
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