本作は大阪の梅田周辺、通称・キタでサバイブするアジア人たちの実像を描く158分の群像劇。ツァイ・ミンリャン監督作品で知られる
カーワイは大阪を活動拠点としている中華系マレーシア人。本作は自身の大阪3部作として「新世界の夜明け」「Fly Me To Minami ~恋するミナミ~」に続き大阪で撮影した。2020年の第33回東京国際映画祭などで上映されたほか、JAPAN CUTS ~ジャパン・カッツ!2021のオフィシャルセレクションに選ばれるなど各国の映画祭に招待されている。
公開にあたり、監督とキャストからコメントが到着。カーワイは2019年に撮影した本作について「国境を自由に行ったり来たりできる世界を前提としていたけれど、コロナ禍によって激変した今の世界にも様々な示唆を与えてくれるのではないかと信じています」と伝える。カンションは10数年前にカーワイと出会っていたことを振り返り「彼の映画への情熱は昔と変わっていませんでした。私は彼の変わらぬその情熱に感動と敬服を覚えて、彼のオファーを快諾することにしました」と明かした。
「COME & GO カム・アンド・ゴー」は東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。
リム・カーワイ コメント
2019年、平成最後の一ヶ月と少し。ちょうど令和という年号が発表された前後、桜が咲いていた大阪で撮影しました。
その間に、一年半以上続くコロナ禍があって、いまだに終息せず、大変な世の中ですが劇場公開が決まって感無量です。
近くですれ違ったり、どこかで偶然に交差したりしているにもかかからず、それぞれの生活の問題が精一杯で、お互いの存在に気付いたり、関心を持ったりする余裕がなくなっていることがテーマの、このアジア9カ国・地域の豪華キャストが一斉に集まって出演した本作。国境を自由に行ったり来たりできる世界を前提としていたけれど、コロナ禍によって激変した今の世界にも様々な示唆を与えてくれるのではないかと信じています。そして、彼らがいかに日本でサバイブしてゆくか、ぜひこのドキドキ、ワクワク、ノンストップの、未だかつてない群像劇を、強い関心を持って見て頂けたらと願います。
リー・カンション コメント
「Come & Go カム・アンド・ゴー」は私が日本で撮影した二本目の作品です。最初の映画は東京で撮影したツァイ・ミンリャン監督の短編「無無眠」“No No Sleep”(2015)でした。今回の舞台は大阪です。
リム・カーワイ監督とは2000年頃に私たちの日本語通訳として知り合いました。10数年後、彼が映画監督になったことを知って大変驚きました。しかし彼の映画への情熱は昔と変わっていませんでした。私は彼の変わらぬその情熱に感動と敬服を覚えて、彼のオファーを快諾することにしました。この映画はとても低予算で、スタッフの構成もコンパクトでしたが、現場ではすべてのスタッフがとてもプロフェッショナルで、一所懸命にがんばっていましたし、たくさんの外国俳優が大阪にやって来て、面白い出来事がいっぱい起こりました。東京国際映画祭と大阪アジアン映画祭を経てようやく劇場公開されることを、本当にうれしく思っています。多くの観客との出会いがあり、すべての人から愛されることを願っています。
リエン・ビン・ファット コメント
たった今、「Come & Go カム・アンド・ゴー」がいよいよこの11月に日本で劇場公開されると聞いて、とても興奮しています。役者としてリム・カーワイ監督の映画に参加することができたことを非常にうれしく思っている。この映画がいつかベトナムでも劇場で上映できたらそして僕のファンも観ることができたら、なおさらうれしいことです。この映画がたくさんの日本人から愛されることを願っています。
ナン・トレイシー コメント
ミャンマーからナン・トレイシーです。本来日本に行って映画を観るはずでしたが、ミャンマーは今大変な時期にあって、気分が重いです。このご時世、「Come & Go カム・アンド・ゴー」の劇場公開は私にとって大変な喜びと励ましになっています。これはまだご覧になっていない方々に絶対お勧めしたい映画です。これを観て、貴方がきっと大阪でサバイバルしている外国人たちの生活に驚くはずです。私はこの映画のキャラクターにとても共感を覚えます。彼女は夢のためにいろいろなリスクを冒して大阪の過酷の環境で頑張っています。私はこの映画に参加することができてとても光栄でした。これからも女優を続けるつもりでいましたが、ミャンマーの現在の情勢で、その夢は壊れてしまいました。また国内の映画産業もいつ復活するかも先が見えない状態です。最後に、愛しい思い出を作ってくださった「Come & Go カム・アンド・ゴー」のスタッフ全員に感謝したいです!
千原せいじ コメント
時間がかかりましたが、公開できてよかったです。今より少し太ってますが、気にせず楽しんで下さい。
渡辺真起子 コメント
9年前の東京国際映画祭でアジアの風部門で審査員をされている時に知り合いました。面白い人がいるなーと、家がないとか。(日本にはですよ)旅人が、旅人の映画を作り始め、作り続けている。彼が出会った人たちを語った時、彼を通して一緒に旅をすることになります。彼が見つけて磨いた大切な旅の宝物たち。是非一緒に旅をしてください。あ、私もその中に参加していますね、とても光栄でした。
兎丸愛美 コメント
わたしは地方の田舎から身一つで大阪へやってきた日本人の女の子の役を演じました。台本の用意されていなかったこの作品の中では「演じていた」というよりも「生きていた」という表現の方がしっくりきます。大阪へは何度も訪れたことがあるはずなのに「ここがあの夢にまでみた大阪なのか」と、新しい世界へ踏み入れてしまったような気持ちになりました。たくさんのひとが行き交い、たくさんのひととすれ違う街。わたしが歩いた道をだれかが歩いて、だれかが歩いた道をわたしが歩く。わたしたちは同じ世界で生きている。他人の存在に気づけたわたしは少しだけやさしいひとになれたような気がします。
桂雀々 コメント
「Come & Go カム・アンド・ゴー」の劇場公開決定、おめでとうございます! この作品は、大まかなシチュエーションだけ聞いて、あとは監督と演者がアドリブで演技するという独特のスタイルで撮影。最初は戸惑いましたがやってみると面白い! いい勉強になりました。様々な国や言語で混沌とした現代を斬る、リム監督の感性が光るこの作品を是非多くの人に観てもらいたいと思います! あっ! 僕も出てます。
尚玄 コメント
それぞれが抱えた問題をジャッジしたり、誇張したりするでもなく、程良い距離感で多国籍な登場人物たちの合間をすり抜けていくその軽妙さはまさにシネマドリフター。実際に異邦人として大阪で暮らしてきたリム監督だからこそ撮れた映画だと思います。158分という長尺を感じさせない娯楽群像劇ですので、ぜひ劇場でご覧になってください。
映画ナタリー @eiga_natalie
リム・カーワイが大阪で生きる者たち描く新作公開、リー・カンションや千原せいじ出演(コメントあり)
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