本作は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受ける日本で、エッセンシャルワーカーと呼ばれる職業に就く人々や、“声なき仕事人”たちの現状をレポートするもの。「さんかく窓の外側は夜」の
当初はこのメンバーで劇映画を制作予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて緊急事態宣言が発出されたことで、撮影協力を得るのが難しく、クランクイン1カ月前にして中止せざるを得ない状況へ。そこで河村のアイデアにより、市井の人々の声を聞くドキュメンタリーとして企画が再始動した。
YouTubeでは予告編が公開中。有村と志尊が先の見えない恐怖を語る様子や、看護学生、シングルマザー、保育士、ホストクラブ経営者、介護福祉士などに話を聞き「リモートではできない仕事」の価値を再認識していく様子が切り取られた。なお森ガキと河村から届いたコメントは下記に掲載する。
森ガキ侑大 コメント
大学時代に初めてドキュメンタリーを作った際に、もう二度とドキュメンタリーは作らないだろうと確信したのを覚えている。やはり、現実は悲惨でこの世の中は卑怯で劣悪な物事で溢れかえっている。なので、ドキュメンタリーを作っていてとにかく精神的に辛かった。だから、自分は現実から目を背けて生きていく方がよっぽど良いと思ってから17年後にまさか、ドキュメンタリー映画を制作するとは思いもしなかった。ドキュメンタリーを制作した事で自分は社会との接点をようやく見つけられたかもしれないと感じる事ができた。こんな時だから作る理由があると僕は直感で感じました。気がついたら一瞬のうちにカメラをまわして世の中を駆けずり回っていた。多くの人の心を揺さぶる事ができればと思っております。
河村光庸 コメント
新型コロナウイルスの世界的感染はとどまることを知りません。当初私はそのリスクは全ての人々に均等にあり、集団の判断が優先される今、現代日本人に欠けている「個の自立」が多くの人々に自然に植え付けられていくのでは‥‥‥と思っていました。しかしその思いは見事に幻想に終わりました。「個の自立」は「自助」にねじ曲げられ、人々は「自己責任」を強いられ、結果、「個」の分断が引き起こされ「社会の分断」へと拍車がかけられたのです。そして、そのことは、別のかたちで、いわゆる人の人たるいとなみ「仕事(職業)」に顕著に表れていきます。
「エッセンシャルワーカー」と「リモートワーカー」。
特に生身の「人」でしかできない「仕事」をつかさどるエッセンシャルワーカーには、コロナで生み出された「負」の全てが背負わされるのです。自粛による壊滅的な打撃を受けたり、分断や差別に晒されたり、リモートワーカーとエッセンシャルワーカーの格差は拡大し、たった今の社会の分断は勿論のこと、人間社会の大いなる矛盾を浮き彫りにしました。この映画は、仕事をしている「人」誰もにやさしく寄り添っていこうとチャレンジをしています。そして、この困難の中、人と仕事の本質を垣間見、時代の変化を実感していただけたらと願っております。
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