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村上春樹による同名短編小説をもとにした本作では、妻を亡くした舞台俳優・演出家の家福が、寡黙な専属ドライバーのみさきと出会い、それまで目を背けてきたことに気付いていくさまが描かれる。家福を西島、みさきを三浦が演じ、家福の亡き妻・音に霧島、物語を大きく動かすキーパーソンである俳優・高槻に岡田が扮した。
第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で脚本賞を受賞したほか、独立賞に当たる国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞に輝いた本作。感想を問われた岡田は「うれしかったですよ! 本当にうれしくて、初めて西島さんにメールを送りました!」と明かし、西島は「濱口監督は本当にすごい監督だと思っていましたが、世界でも認められ、これからもっともっと名作を作っていくのだと思っています」と語る。映画祭に参加した三浦は「初めて大きなスクリーンで観ることができてよかった」と話し、霧島も「海外の皆様の反応を見てきました。日本の皆様にも早く観ていただきたいです」と述べた。
脚本賞受賞に触れ、濱口は「脚本は当然映画には映っていないものなので、役者さんの演技を通じて感じていただけたものだと思う。役者さんの演技が素晴らしいものでなければいただけなかったものだと思っています」と言い、「村上春樹さんの原作を映画化するというチャレンジングなことの中で、キャスティングが特に重要だと感じていました。映画の中で膨らんだキャラクターもいますが、村上春樹さんの物語から与えてもらった一番大きなものはキャラクターだった。登場人物たちと精神的な類似がある方をずっと探していて、今回本当に素晴らしいキャスティングができました」と胸を張った。
鑑賞者の間で話題になっている西島と岡田の車内での長回しシーン。岡田は「感情を豊かにすればするほど怖くなっていく自分がいて、それをすべて見つめてくれている西島さんがいて成立したシーンでした。今まで撮影してきた中でも忘れられない撮影で、死ぬまで頭の中で覚えていると思う」と振り返り、西島は「今すごいことが起こっていると感じていました。あの演技は、岡田くんの中でもベストなものだと思うし、個人的にも突出したシーンだと思う。何度観てもそう感じました」と言葉に力を込める。これを横で聞いていた三浦は「今回の撮影では、お芝居を音で聞いて感じているだけのことが多かったのですが、あのシーンは初めての感覚でした。一緒に空間を作っている感覚。セリフはなくても、私の目線や動きを足すだけで何か変えてしまうのではと感じました」と回想した。
イベント終盤では8月15日に32歳の誕生日を迎える岡田のため、劇中に登場する車サーブ900を花で表現したフラワーケーキがサプライズ登場する場面も。西島が「本当にすごい演技を見せてもらえた。今後もどんどんすごい俳優になっていく姿を一ファンとして見続けて応援しています。お誕生日おめでとうございます!」と声をかけると、岡田は「自分自身でもびっくりするようなシーンが撮れて現実味がなくて、何かすごいことが起きていると思って撮影をしていました。この作品を超える演技をこれからも死ぬまで、西島さんに見せていこうと思います!」と抱負を語った。
「ドライブ・マイ・カー」は8月20日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
映画ナタリー @eiga_natalie
「ドライブ・マイ・カー」西島秀俊との撮影を岡田将生が回想「死ぬまで覚えている」(写真12枚)
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