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思春期の恋と性を題材とした本作。海辺の小さな街で暮らす中学生・小梅が、憧れの先輩に手ひどく振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺と関係を持つようになる姿が描かれる。小梅役の石川、磯辺役の青木はともにオーディションで主演の座を射止めた。
オーディションに立ち会った浅野は「会場のビルのエレベーターで制服を着た小さな女の子がいて。なんでここに中学生が?と思いました」と石川を目撃していたことを明かす。「小梅役が難航していて。石川さんだけ都合が合わず別日のオーディションだったんですけど、満場一致で『この人しかいない』となった感覚で救われました」と感謝。青木にも「オーディションの前から正直青木さんじゃないと成立しないなと。磯部役をやってもらえるとなって安心しました」と声を掛けると、青木は「マジか……」と声を漏らしながら身をかがめて恐縮した。
石川は青木の印象を尋ねられると「柚くんとは磯部と小梅のように近いのか遠いのかよくわからない距離感だったけど、ほかの人には言えないことも言えたりする関係でした。今は一緒にいると居心地がいいです」と回答。青木も「初めて会ったときから小梅への思い入れが強く感じられて、現場でも小梅であろうとする姿勢、意思が非常に伝わってきて助けられました」と石川をたたえる。自然と役のような距離感で接することができたという2人を見て、ウエダは「この世代の子たちが現場に集まるとわいわいしがちだけど、自分たちでセーブして、役のために集中力を切らさず準備している感じが頼もしかったです」と満足げに語った。
浅野のマンガが実写映画化されるのは、2010年公開作「ソラニン」以来のこと。浅野は「僕と監督は同世代ぐらい。実際に会ったとき、見てきた景色が同じだったり、作品を尊重してくれている実感があったので、お任せして大丈夫かなと思えた」とウエダへの信頼を口にする。そして「(劇中に登場する)“うみべの女の子”の写真は、水着の柄から構図までほぼ完全再現されていた。台風のシーンで看板がひっくり返るところは角度まで同じだったり、スタッフの執着を感じました」と舌を巻いた。もともと浅野ファンだったウエダは「原作の背景は写真から描き起こしていることが多いから、実写化するならできるだけ同じようにしたかったので」と作品愛をのぞかせた。
「うみべの女の子」は8月20日より東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。石川と青木のほか、前田旺志郎、中田青渚、倉悠貴らもキャストに名を連ねる。
※「うみべの女の子」はR15+指定作品
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