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SF作家ケン・リュウの短編小説「円弧(アーク)」をもとにした本作は、不老不死の処置により30歳の体で永遠に生きていくことになるリナの人生を描いた作品。リナを演じた芳根は満席の会場を見渡しながら「お客様が入っているのは当たり前じゃないなと。芳根京子の人生において大切な1本になりました」と、石川も「ひょっとしたら映画館でかけられないんじゃないかと思っていた作品。こうして皆さんに観ていただけて感無量です」と胸中を伝える。
舞台挨拶では登壇者たちが本作の見どころをフリップで紹介。「たくさんの愛」と書いた芳根は「現場からもたくさんの愛を感じました。皆さんの心が温まったらうれしいです」と述べる。寺島は、遺体を美しいまま保存する技術「プラスティネーション」と書いたフリップを見せ、「香川の県庁さんで撮影させていただいたんですが、振り付けやダンスがとても楽しかった。ここだけ成立すればいいかなと思っていたくらい大事なシーンです」と振り返った。
「海辺」と書いたのは岡田。「この映画の肝となるシーンは海の近くが多くて。海の先に広がっていく世界の広さを感じられると思います」とその理由を語った。また小林はネタバレに配慮した結果、何を書けばいいのかわからなくなったと言い、「言いたいのは山々なんですが上映後のお楽しみ」と記したフリップを見ながら笑う。撮影については「初めて小豆島に行きました。ああ見えて、石川監督が現場で安心感を与えてくれて。もう少し不安になると思ったんだけど(笑)」と正直に話して場を和ませた。
ここで、映画に出演している子役の鈴木咲がサプライズで登場する。母娘役で共演した芳根に花束を渡し、「楽しかったです」と満面の笑みに。芳根は「自分にはこんなに母性本能があるんだなって。咲ちゃんから引き出してもらったことがたくさんあります」と感謝を伝える。
さらに石川が芳根への手紙を用意していることが発表されると、芳根は「ええーやだ。泣いちゃうもん。もう泣きそうだもん……」とあたふた。そんな彼女を横目に石川は「悩める芳根さんを見て『ああ、リナがいる』と思ったんです」「満身創痍で役を生きている芳根さんに付いていくことにこちらも必死でした」と言葉を紡ぎ、今度も一緒に映画を作りたいと口にする。涙が止まらない芳根は「今、お見せできないくらい泣いています。咲ちゃんつないで?」と鈴木に助けを求めつつ、「こんなに幸せなことはないなと思います。石川監督からはエネルギーやパワーをたくさんいただきました。オファーをいただいたときは、この仕事が向いているのかわからなくなっていた時期で。でも石川さんが優しく包み込んでくれて、今ここに立てているのがうれしいです」と、時折呼吸を整えながら語った。
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