「ミッドナイトスワン」の
2020年の9月から11月に撮影された本作。10月下旬のこの日、宇佐木たちの“うさぎの会”が合唱コンクールに出場するシーンが撮影された。小沢のほか、うさぎの会の指導者・みゆき役の
本作の原案にも名を連ねる内田は「ヤクザの人たちって声が低いイメージですよね。それを音楽に生かしたら面白いだろうなと、ずっと思っていました」と発案のきっかけを明かす。Vシネマ的な作品に憧れがあったという内田は「ジャンル映画が大好きなので、落差を激しくしようと思っていて。ゴリゴリの暴力と、ほのぼの合唱シーンを盛り込んだストーリーにしました」と続ける。
待ち時間に小沢に話を聞くと、本作について「コメディ作品ではないと思う。設定が笑えるだけで、俺がこういう格好して歌っていることがコメディになっているんだよ(笑)。観てる人が勝手に笑ってくれればいいんじゃないか」と話す。すでにバイオレンスシーンの大半は撮影を終えているそうで「バイオレンスの撮影が来るとホッとするもん! 朝からいきいきしてるよ。『何発撃っていいの?』って(笑)」と告白。合唱については撮影の1カ月前から稽古を始めたと言い「家や車の中で練習してる。おかげで高いキーが出るようになっちゃった。でも現場では『もっと楽しそうにチャーミングに笑って!』と言われることがプレッシャーだよ。それに音程だろ、歌詞だろ、芝居、それに振り付けまで入ってくるところがあって……覚えることがいっぱいある。俺、踊りと歌は医者に止められてるからやっちゃいけないんだよ!(笑)」と慣れない役柄への不安を明かした。
そして合唱シーンの撮影がスタートし、まず対戦相手の学生チームが見事な歌声を披露する。うさぎの会はこのチームに勝利する設定だが、思わず内田は「今のところ、うさぎの会が勝てる要素がない……(笑)」と、小沢は「まともにやったら勝てるわけないよ!」と笑う。続いてうさぎの会が声撮りをすることになるが、リハーサルで最高の手応えを達成してしまったようで、歌唱指導者も「今のすごい上手……!」と驚きのリアクション。うさぎの会の面々も「(今最高記録が)出ちゃった(笑)」と顔を見合わせるも、その後無事に収録は終了した。
さらにこの日、血だらけの宇佐木がコンクール客席に忍び込み、女性客のすぐ後ろに隠れるというシーンも撮影された。テストの際、女性エキストラに見つめられた小沢はニヤリと笑って「こんにちは」とアドリブを入れるが、内田から「余計な芝居しないで(笑)」と注意されてしまう。そこから「かわいいキャラで」と演出が入り、小沢はペコリとお辞儀する演技に変更した。小沢は内田の演出について「俺はコワモテのイメージがあるからヤクザ役ばかりやってると見られがちだけど、もちろん役者だからどんな役でもできるし、やりたいんだよ。今回はいち役者の基本に戻って演じているし、内田監督は役者の素を見て、そこから何かを見出そうとしてくれる。素をさらけ出すのは照れくさかったりもするけど、楽しいね」と語る。宇佐木という人物に関しては「監督に『枯れた感じがいい』と言われているから、静と動で言うと静だね。商店街の合唱団で歌っている宇佐木と、何人も撃ち殺している宇佐木は、別人に見えるけど、そういうギャップって俺たちにもあるものだと思う」と説明した。
Vシネマ風のテイストながら、配信オリジナル作品として制作される「列島制覇ー非道のうさぎー」を、小沢は「結局、地上波ではできないことが面白いんだよ。おいしいものは体に悪いだろ? エンタテインメントってジャンクフードだと思うから」とアピール。当初はジャンル映画好きの男性だけをターゲットに考えていたという内田も「撮っているうちに、女性にも楽しんでもらえるんじゃないかと思えた。バイオレンスなシーンはありますが、怖さとの落差を楽しむ、お化け屋敷みたいな作品になると思う」と手応えを述べた。
「列島制覇ー非道のうさぎー」は4月16日にU-NEXTで先行配信スタート。
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【制作現場レポート】小沢仁志が合唱に苦戦?「列島制覇」現場レポ、内田英治が「お化け屋敷のような作品」 https://t.co/uIe22IhcqE