83歳スパイが老人ホームに潜入?米アカデミー賞ノミネートのドキュメンタリー公開

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第33回東京国際映画祭、第17回ラテンビート映画祭にて「老人スパイ」のタイトルで上映されたドキュメンタリー「The Mole Agent(英題)」が、「83歳のやさしいスパイ」の邦題で劇場公開される。

「83歳のやさしいスパイ」ポスタービジュアル

「83歳のやさしいスパイ」ポスタービジュアル

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本作は高齢スパイを募集する不思議な求人に応募した83歳の男性セルヒオが、老人ホームで潜入調査を行う過程を捉えたドキュメンタリー。初めてのスパイ仕事に張り切る心優しいセルヒオが、いつしか悩み多き入居者たちのよき相談相手になっていく様子がユーモアたっぷりに映し出される。同時に、家族と離れて暮らす入居者たちが漏らす本心から、現代の介護施設のあり方を問う内容となっている。

監督を務めたマイテ・アルベルディは、私立探偵のドキュメンタリーを作りたいという思いから、老人ホームの許可を得てスパイとは明かさずに3カ月間撮影。取材を進めるうちに、依頼の多くが依頼主とその家族のコミュニケーション不足によるものだと知り、最終的に調査そのものではなく、その背後にある社会的な相互理解に焦点を当てた。アルベルディは「鑑賞後に親や祖父母に連絡したいと思ってもらえたら」と語っている。

また本作が第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたことを受け、アルベルディは「ラテンアメリカ女性の製作チームにとって、この種の夢は不可能に思っていましたが、今年は人生を新たな観点から見ることができました」「この映画が、高齢者とその家族たちの交流に役立ったことをとても誇りに思います」とコメントした。

「83歳のやさしいスパイ」は7月より東京・シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開。

マイテ・アルベルディ コメント

このような並外れた注目すべき映画賞の候補に選ばれたことを光栄に思います。選んでいただいたアカデミーとドキュメンタリー部門に心から感謝しています。ラテンアメリカ女性の製作チームにとって、この種の夢は不可能に思っていましたが、今年は人生を新たな観点から見ることができました。このたびのノミネーションは、世界が常に高齢者たちを大切に思っていることを示し、平均寿命を延ばすだけでなく、生きたいという意欲を高めることが重要であると私たちに思い出させてくれます。昨年は非常に多くの損失がありましたが、私たちは高齢者に改めて目を向け、彼らが「孤独のパンデミック」という、新型コロナウイルス流行前のパンデミックに直面していたことに改めて気付かされました。この映画が、高齢者とその家族たちの交流に役立ったことをとても誇りに思います

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読者の反応

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更紗 @sarasa_movies

これは面白い手法で撮られた映画ですね〜
https://t.co/oBo3K66cVp

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