劇場アニメ「
これは本日3月27日に行われた「AnimeJapan 2021」のイベントで監督の
イベントでは「【プリプロダクション】作品の骨格を作る脚本」をテーマに、イシグロと佐藤がトークを繰り広げた。コミュニケーションが苦手な俳句好きの少年・チェリーと前歯のコンプレックスをマスクで隠す少女・スマイルの青春模様をつづった本作。イシグロは企画の始まりを「音楽もののオリジナルアニメのお話をいただいて、1年半くらい自分1人で回していたのですがうまくいかず、僕のほうから佐藤大さんにお声掛けしました」と説明する。佐藤は「最初にいただいたときはSFものだったんです(笑)。でも監督から現代劇ベースに変更したいと相談され、共同執筆という形でお互いに意見を出し合って、融合しながら作り上げていきました」と振り返った。
映画ではショッピングモール、アナログレコード、俳句の3つが重要なモチーフとなっている。イシグロは、まず舞台設定について「1km圏内の限定的な場所で展開されるストーリーにしたいと思い、地方の風景が感じられるショッピングモールを舞台にしました」と説明。打ち合わせでは、音楽に関わる記憶をたどる話にしたいと考えたイシグロが、アナログレコードの現物を持って行ったこともあるそう。実際に手に取りながら話し合いを重ね「互いに出てくるキーワードをピックアップしていきながらプロットを作っていきました」と語る。
また佐藤は俳句の着想を「少年が主人公だと、どうしてもモノローグに頼りがちになってしまう。でも今回はそこに頼らず、モノローグに匹敵するような心情のピンを打つものとして、最初にラップを思いつきました」と明かしていく。さらに「ラップで練っていく中で、いとうせいこうさんの『俳句はラップの始祖だと思う』という言葉に感銘を受け、ラップから俳句へとつながっていきました」と、 アイデアの変遷を明かした。
イシグロはシナリオの制作過程を「こうやって要素と要素が一方通行ではなく、回り道したり近道したりしてだんだんとつながっていきます。脚本は佐藤大さんが大元を担当して、自分は4パートのうち1パートを担当しました。お互いが壁役になるとすごく意見が出しやすくて、1人で作業しているときには考えられないくらいのスピードでアイデアが浮かんでくるんです。お互いポンポン出し合って作り上げていったので、正直どっちが先に出したアイデアなのかわからないものもたくさんあります(笑)。それが共同脚本の面白いところ」と振り返った。
「サイダーのように言葉が湧き上がる」は全国でロードショー。市川染五郎がチェリー、杉咲花がスマイルに声を当てたほか、山寺宏一、潘めぐみ、花江夏樹、神谷浩史、坂本真綾らが参加した。
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映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】「サイダーのように言葉が湧き上がる」新公開日決定、監督と脚本家がシナリオ制作語る
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