新型コロナウイルスの影響により公開が延期となっていた本作。熊本・天草に舞台に、オレオレ詐欺の旅を続ける若い男と、老女・艶子の関係が映し出される。寂れた商店街に流れ着いた男は、いつの間にか孫・将太として艶子と奇妙な共同生活を送ることに。さらに地元FM局のパーソナリティを務める清(きよら)たちに、昔の天草の8mm映像や写真を集める上映会企画に引き入れられ、活動に夢中になっていく。詐欺師の男役で藤原、艶子役で
監督の
上野昂志(評論家)コメント
一見、とらえどころがない作品に思えるが、そこには、作り手の周到な設計が施されている。
緩やかな時間の流れ。それが、この映画をさりげなくも豊かに律しているのだ。
小山薫堂 コメント
新型コロナウィルスという脅威に人類が翻弄されている今。
多様な価値観を認め合うことが必要とされる今。
そんな時代に「のさり」という天草弁に出会うことで、人の心は少しだけ軽くなります。
のさりとは、良いことも悪いことも天からの授かりもの、という考え方。
それはあらゆる苦難を乗り越える力であり、自分とは違う考えを認める力であり、全てのものに愛を持って接する優しさの力です。
「のさりの島」という作品が、コロナ禍における心のサプリメントになることを信じています。
山本起也 コメント
嘘、という言葉はあまり良い意味で使われませんが、嘘の中でこそ救われる、ということがあると思ったのです。
あるいは、この映画の台詞を借りれば「まやかしでも、人には必要な時があっど(ある)」ということかもしれません。
オレオレ詐欺の男と、電話を受けたおばあさん。
二人がついた嘘が、寂れた街のシャッターの向こうで、いつしか本当になる。
ふと訪れた天草でこの映画の話をしたところ、そこに居合わせた方がこう答えました。
「監督、そん話、天草だとあるかもしれんばい」
この映画は天草で撮らねばならない、そう心に決めた瞬間でした。
※上野昂志の昂は異体字が正式表記
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詐欺師がFM局の企画に参加、藤原季節と原知佐子の共演作「のさりの島」5月公開(コメントあり / 写真18枚)
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