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本作は「偶然」と「想像」がテーマの短編3つで構成された計121分のオムニバス。第1話「魔法(よりもっと不確か)」には古川琴音、中島歩、玄理、第2話「扉は開けたままで」には渋川清彦、森郁月、甲斐翔真、第3話「もう一度」には占部房子、河井青葉が出演している。
会見の冒頭で濱口は、受賞を受け「本当にうれしく思っています。会議のようなリハーサル部屋で、数人から始まったような、小さなチームで作られた映画です。2019年に始まり、コロナ禍の影響を受け撮影体制も変えながら作りました。とても大きな映画祭で賞をいただけたことを本当にうれしく思っています」と挨拶。さらに「メインキャスト8人が、本当にすばらしい形で画面に映ってくれた。それが海外の映画祭にも伝わったと思うとうれしい。とても長い時間をともに費やしたことが、こういった結果につながったと思う」と続けた。
濱口の監督作「ハッピーアワー」のプロデュースも手がけた高田は「歴史あるベルリン国際映画祭でコンペティションに入るだけでも大変光栄。その中で審査員グランプリをいただき本当にうれしく思います。それも才能あふれる監督と一緒に製作できたこと、監督のもとに集まったキャスト、スタッフの皆さん1人ひとりのお力だと思います」と関係者に感謝の意を表した。
銀熊賞は、グランプリである金熊賞に次ぐ賞。本作がこの賞に選ばれたことについて濱口は「コンペティションに入ることも、受賞することもそこまで期待、予想はしていなかった。ついでに言うと、金よりは銀のほうが似合う映画なのではないかと思っているのが正直なところです」と率直に述べる。今回の受賞が日本映画界に与える影響に関して聞かれると「日本映画産業に詳しくないのでそんなに語ることはできませんが、“こういうことができる”という一例は示せたのではないかと思う。作品の規模の大小にかかわらず映画祭が取り上げてくれるということを示せた。今小さなチームでやっている人は、より多くの観客につながる可能性があると思ってくれていい」とコメント。さらに審査員からの評価を「言葉によって新たな次元が開かれている、というようなことが書かれていました。役者が言葉を発していくときに空間が変わっていくところを観たと」と紹介した。
本作は3つの短編からなるが、濱口自身には7つの短編によるシリーズの計画があるという。「プロットのようなアイデアをあと4つ残しています。そもそも短編を作ろうと思ったのは、短編だから実験できることがたくさんあり、自分の演出技術を維持したり、制作のリズムを作っていくことができるから」と話す濱口。今作は長編「
今年のベルリン国際映画祭がリアルとオンラインを組み合わせた形で実施されることに関して、濱口は「映画祭の役割を真摯に考えて構築されていると思います」とコメント。映画祭の役割は、映画と観客の出会いの場となること、そして映画と各国の配給業者が出会うマーケットという側面であると話し「マーケットがないと各国に映画が行き渡るのが遅れてしまうし、チャンスを失う映画もあるかもしれない。そんなことがないよう今年もフィルムマーケットを設けたのだと思う。映画の価値はどうしても賞に左右されるので、賞に関してもこのタイミングで発表されたのかなと。実際にこの作品も各国の配給業者の方々に買っていただいています。セレモニー的な部分は6月にリアルイベントをやると聞きました。夏にはコロナもある程度落ち着いているだろうと」と話した。
「偶然と想像」の劇場公開は現在のところ未定。
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濱口竜介、「偶然と想像」のベルリン銀熊賞受賞で「日本映画界に一例を示せたのでは」(コメントあり)
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