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島本理生の同名小説を堤幸彦が映画化した本作は、公認心理師の真壁由紀を主人公にしたサスペンス。実の父親を殺した女子大生・聖山環菜の心理へ迫っていくうちに、由紀が自身の“ある記憶”を呼び起こしていくさまを描く。北川が由紀、中村が由紀の義理の弟である弁護士・庵野迦葉を演じた。
北川は「私にとって久しぶりの主演作。中村さんや窪塚(洋介)さんと初めてがっつり共演させていただいて、堤監督とも初めてご一緒しました。いろんなことが刺激的で新鮮な作品でした」と現在の心境を吐露。本作を「心がじんわり温まる」と表現する中村は「早く観ていただいて、それぞれじんわりしたものを持ち帰っていただきたい」と呼びかけた。
各々イチ押しのシーンを問われると、大学生時代の迦葉が由紀の髪を優しく切る場面を挙げた中村。「爽やかで甘酸っぱいんですけど感動的。ちょっと日本映画史に残る名シーンになったんじゃないかな……と言うのは言いすぎですけど(笑)。とってもいいシーンです」と話す。北川は「おなかぐらいまであるウィッグを一発勝負で」と中村による散髪を振り返った。また北川は、由紀と迦葉がともにバスに乗るシーンを挙げ「髪を切ったあとにバスに乗ってるんです。私たちが幸せだった頃。短いカットなんですけど、それまで孤独だった由紀がちょっと心を開いて安心してバスに乗っていて、いいシーンだなと思ってます」と語る。
ともに1986年生まれの同い歳という北川と中村が、それぞれの印象を語る場面も。北川は中村をすごいと思ったポイントを「動じないところ」と明かし、「監督が現場で急遽プランを変えることもある。そこでも『えっ』とならずに涼しい感じですぐ対応する。バラエティ番組やこういったイベントでも、私はギリギリまで台本を読んで緊張してるんです。全然そういう姿も見ない。『別に楽しんでやればいいじゃん』とどーんとしてる。観てると『私も緊張しなくていいんだ』と安心できるので、同い歳ですけど、すごくお兄さんっぽい感じがします。とても落ち着いている」と説明。これに中村は「紅白に出たときは緊張しました」と笑いつつ、「こういう場は皆さん宣伝しようと集まってくださってますから。とても素敵な記憶に残る記事を書いてくださる方々。いつもありがとうございます。今日も楽しみにしています」とマスコミ陣にプレッシャーをかけ笑いを誘う。「肩の力を抜くには?」という質問に、中村は「イチロー選手は『ひざを抜く』って言ってましたね」とひざを抜きながら答えた。
一方の中村は、撮影現場での北川を「大学時代のシーンからクランクインしたんです。初対面だったので、人見知りでおとなしい方なのかな?と思ってました。仲も深まって現在のパートで由紀と迦葉を演じると、もうまったくの別人。役作りがすごい。(役に)入ってる」と回想。北川が「でも普通に人見知りだったと思う」と恐縮すると、中村は「そういう次元じゃなくて、もうオーラが違ったの!」と強調する。北川は「扮装の感じもあったよね。まだ少女感のある学生時代とバリバリ働いて自信を得た現在。びっくりするぐらい別人。自分にも自覚がなかったから怖い」と振り返った。
最後に北川は「2019年の撮影から1年と数カ月。たくさんの方々に支えられてここまで来ました。みんなで力を合わせて作品を作るのは本当に貴重な経験。いろんな方々の思いが詰まったこの映画をたくさんの方々に届けたいと思います」と語り、イベントの幕を締めくくった。
「ファーストラヴ」は2月11日より全国ロードショー。
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