「
本作は東京・明大前駅で終電を逃し、21歳で偶然出会った山音麦と八谷絹が過ごした“最高の5年間”を描くラブストーリー。菅田が麦、有村が絹を演じた。
平穏な日常を描く恋愛ものに参加してこなかったという菅田は「今回のようなラブストーリーは初めてに近かったです。ドキドキする瞬間の表情を土井さんに演出してもらって、新鮮でしたね」と振り返る。「順撮りだったおかげで、このシーンではこのぐらいの気持ちだから……と変に計算せずにすみ、素直に2人の日常を経験していくことができました」と話した。
今回の現場ならではの取り組みを挙げたのは有村。「本編には麦くんと絹のモノローグがけっこうあるんですが、クランクインする前に監督がモノローグ収録をしたいとおっしゃって。まだ2人とも役が定まっていない中で行ったんですが、そこでキャッチボールをさせていただいたおかげで3人で共有できたものがあってありがたかったです」と役作りの一端を明かし、「本編撮影後にもう1回録り直したんですが、全然違ったものになっていて、それがすごく面白かった」と述べる。
土井は「何も大きな出来事が起きない物語なので、いい意味で2人がそこらにいる子たちにちゃんと見えるようにしようと思っていました」と演出の方向性を述懐。「順に撮ったので、麦と絹と一緒に時間の経過を追う形になった。ストーリーが進んでいくにつれて、彼らと同じような感情が湧いてくるのが面白かったですね」と回想する。
本作の脚本は、坂元裕二がオリジナル作品として執筆した。MCは、タイトルの「花束みたいな」という部分をそれぞれどのように解釈したのか尋ねていく。菅田は「花束はいつか枯れるもので、いろんな形のものが集まって作られるもの。この物語は男女が出会って、お互いを知っていって、それで……という話ですよね。花束の恋だとそのままですが、今回は“みたいな”という表現なので、花束のように美しいものという感じでしょうか」とじっくり考察。有村は「花束というワードから、瞬発的なときめきを連想しました。永遠なものはないかもしれないけど、こういうときめきがあれば、人生楽しめるよなと思います」と笑顔を見せた。
イベント終盤にはフリップコーナーが設けられ、「今までにあった、もしくはこれから経験したい“花束みたいな”出来事」を発表することに。有村は「花束みたいな出会いをしたい」と答え、「ときめく作品、もの、人に出会い続けたいですね」と説明した。そして菅田と土井の回答は「花束みたいな打ち上げがしたい」と偶然にも一致。菅田は「このご時世なので、打ち上げがないんです。仕事の撮影以外で人と会うことがないので、1つの作品が終わった感じもしなければ次に進める感じもしない。すごくさみしいですね」とコロナ禍の影響を口にする。横でうなずいていた土井は「僕たちの仕事はわっと集まって何かを作って別れて……を繰り返すものなので、1回1回区切りがちゃんとあったほうがいいなと思う。一緒に作品を作った人たちともう1回会って、ああだったこうだったと言い合いたいなという気持ちですね」と菅田に同意した。
最後の挨拶で菅田は「恋愛自体の面白さを描いた作品です。結果ではなく過程、人と出会う面白さを見てくださったら」とアピール。有村は「恋愛は自分自身の気持ちを豊かにしてくれるもの。個々様々だと思いますが、この映画を観て恋愛の醍醐味をそれぞれ感じてもらえたらうれしいです」と述べ、イベントを締めた。
「花束みたいな恋をした」は、1月29日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
関連記事
菅田将暉の映画作品
関連商品
Rieko @r_jnknmsk
「花束みたいな恋をした」W主演の菅田将暉、有村架純がタイトルの意味を考察(写真13枚) https://t.co/OWhcvtTlva