第72回カンヌ国際映画祭でダブル受賞した
映画監督が新作の企画を売り込むため、故郷ナザレからフランスのパリ、アメリカのニューヨークへと旅に出るさまを描いた本作。スレイマンが自ら主人公を演じ、イスラエル・パレスチナが直面している問題や世界の混沌を、シニカルな演出と寡黙な演技で表現した。
劇中では、パリのルーヴル美術館やニューヨークのセントラルパークといった観光名所や美しい街並みが映し出される一方で、警官や戦車が突如出現するなど政治的メッセージが込められた場面も。またニューヨークでは、本人役で出演した俳優ガエル・ガルシア・ベルナルからプロデューサーを紹介されるが、“中東の平和”という新作のテーマを笑い飛ばされ、スレイマンはあっけなく退散することに。いかに遠くへ行こうとも、何かが故郷を思い起こさせ、世界が“パレスチナの縮図”のようだと感じた彼は「我々の“故郷”と呼べる場所とはいったいなんなのか?」と根本的な疑問を抱く。
「天国にちがいない」は1月29日に東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で公開。
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