葉室麟の小説を原作とする本作は、藩の不正や権力に立ち向かっていく瓜生新兵衛を主人公とした時代劇。岡田のほか、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子らも出演している。なお本作は今回がテレビ初放送。本編の前後には木村のインタビュー番組「『散り椿』TV初放送記念 木村大作、散り椿そして映画人生を語る」もオンエアされる。
今回、西島演じる榊原采女の父・平蔵役でキャストも務めた木村。平蔵の絶命シーンでは岡田が撮影を担当しており、その理由として岡田が裏方の仕事に興味を抱いていたことを挙げる。「岡田はこれから歳を取っても役者を続けていくと思っているから、裏方のことを勉強するのは悪くないと思うんだよ。『散り椿』のときは俺が斬られ役で出るんだから、撮るのはお前しかいないよって言って任せたんだ。なんにも教えなかったけど、きちんと撮影してくれた」と述懐した。
そのシーンでは大雨が降っている設定だったことから、木村は「雨のテストをやったときに(スタッフに)『大作さん見えません!』なんて言われて、バカ野郎! 心の目で見るんだ!って怒鳴ったりもしたけどさ(笑)」と回想する。また、木村が仰向けに倒れたことで、あるハプニングも。木村は「水が鼻にも口にもごぼごぼ入ってきちゃって、息ができなくなっちゃったんだよね。みんな笑ってたよ。俺が出るシーンだったから、みんな余計に『もっとやれ!』って思ったかもしれないね」と笑った。
また、木村は岡田について「あの年代では相当根詰めていろいろ考えていると思う。脚本について2人でいろいろ話したけど、いろいろアイデアを出してくれたし言っていることに間違いもなかったから、陰で相当勉強してるんだと思った」と明かす。「一度『もう監督やったら?』って言ったぐらい(笑)。映画の作り方もだけど、脚本のあり方についても考えていて、素晴らしいと思った」と称賛した。
インタビュー番組では、本作で「すべてを出し切った」と語っている木村。「これ以上の映画を撮れるかなと思ったぐらい。もうちょいお客が入ってれば(監督を)辞めたかもしれない」とジョークを交えながらも「(2020年度の)文化功労者にも選んでもらっちゃったし、もうちょいがんばれってことかもしれないね。でも世の評価はあまり気にしてないよ」と語る。次回作の構想について問われると「まず僕は、現場が大好き。現場に出たい。もし自分が監督できないなら、キャメラマンでいい企画が来ないかなと思ってるんだ。そしたらすっと出ると思う。でも、監督としてもやりたい企画があるんで、それを改めてやろうと思ってるよ」と答えた。
最後に木村は、今回のテレビ放送で本作を若者にも観てもらいたいと熱弁する。「若いやつ観てみろよ!って言いたいね。『散り椿』が本当の時代劇だと思うし、観てくれたらそれなりに反応があるんじゃないかな。『鬼滅の刃』を観るなら『散り椿』も観てほしいね」とアピールした。なお1月3日には「散り椿」放送記念60分特番として「岡田准一×監督:木村大作が語る“美しい時代劇”ができるまで」もオンエアされる。
散り椿
時代劇専門チャンネル 2020年12月30日(水)19:00~
映画「散り椿」放送記念60分特番 岡田准一×監督:木村大作が語る“美しい時代劇”ができるまで
時代劇専門チャンネル 2021年1月3日(日)20:00~
時代劇専門チャンネル @jidaigekich
#時代劇専門チャンネル にて明日12/30(水)よる7時より放送です!
岡田准一主演「散り椿」テレビ初放送、木村大作は「若いやつ観てみろよ!」 https://t.co/tS9yuoNpLP