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綿矢りさの同名小説をもとにした本作は、のん演じるアラサー独身女性・みつ子と、林扮する歳下営業マン・多田の恋模様をユーモラスに描く作品。上映後に行われたこの日の舞台挨拶では、
大九の演出について尋ねられた林は「撮影が終わってからアフレコをするときに『歌を覚えてきてほしい』と言われたり、現場でも『遣都くん、ザッバーンって言って』とか。でも全部がどういうふうになるんだろうというワクワクがありました」と回想。そして「特に印象に残っているのが、駐車場で『好きなように走り回って』と言われて。どういうことだろうと考えつつ、こんなことができるのも映画の中しかないなと、暴走して楽しみました。でも勢いよく走ってるので停車する位置がわからなくて。適当に停めてタイヤが後ろに乗り上げるという……(笑)」と裏話を披露する。それに大九が「そうそうそう! だから引きの画だと乗り上げてるけど、寄りだとちゃんと止まってます」と続けると、林はあわてて「それはちょっと内緒で」と人差し指を口に当てた。
イケメン好きのみつ子の先輩・ノゾミを演じた臼田は、印象的な大九の演出を聞かれると「(若林扮する)イケメンのカーターを見たときにそのとき食べてるランチのお味噌汁で口をすすぐという……。とても上品ではない行為をさせていただきました(笑)」と回答。また、若林は役作りに関して「初歩的なところですが、歩き方を伸び上がるようなモデル歩きにしたりとか。高校時代に僕、かっこつけててそういう歩き方してたんですよ。その頃を思い出しました」と語った。
みつ子の上司・澤田役の片桐が「監督が作ってくれたキャラクターということで、モデルは大九明子かなと思いました」と自身の役柄に言及すると、大九は「そういうことではまったくなくて(笑)。素敵なかっこいいルーシー・リューみたいな上司ということで片桐さんに当て書きしました」と明かす。みつ子の親友・皐月役の橋本は「原作では、能面昭和顔の笑わない皐月とみつ子のシュールな関係性が素敵だなと思っていました。映画では、皐月が妊娠していることで30歳を超えた女性特有の焦りや嫉妬といった感情が出るので、ちょっと違う観点から考えていきました」と役作りを振り返った。
次に、脳内相談役・Aに相談したいことを尋ねられたのんは「初めて会った方とでも一瞬で仲良くなる方法を相談したいです」とリクエスト。すると、どこからともなく中村の「あなたの悩みに私がすっきり回答いたします」という声が流れ、会場にざわめきが起こる。「もうすでに答えは出ているんじゃないですか? ゆっくりと下手を見てください。次に上手を見てください。ね? わかりましたね?」というぼんやりとした回答に続いて、中村は映画の感想について「とっても楽しく拝見させていただきました。女性だけではなく、男である僕にもこういうときあるなと。僕の頭にも脳内相談役のAはいるなという寄り添う気持ちで観させていただきました」とコメント。また、劇中に登場するAの外見に話が及ぶと「ちょっと違う倫也がいたぞ?と。むっちり白肌の倫也がいたぞ?と。そこは笑わせていただきました」と述べた。
「私をくいとめて」は全国で公開中。
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「私をくいとめて」のんの悩みに中村倫也がぼんやり回答、林遣都は駐車場を暴走 - 映画ナタリー
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