空族の作品が日本映画専門チャンネルでTV初放送、彼らの“今”に迫る特別番組も

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日本映画専門チャンネルで放送される「いま、映画作家たちは2020-2021」で、2月と3月に空族が特集される。

「バンコクナイツ」

「バンコクナイツ」

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「雲の上」

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新時代の日本の映画監督を紹介する本特集。12月には深田晃司、1月には真利子哲也の作品が選ばれた。富田克也相澤虎之助が所属する映像集団・空族の作品から、2月には「雲の上」「国道20号線」「サウダーヂ」、3月には「チェンライの娘」「バンコクナイツ」「典座 -TENZO-」が放送される。すべてテレビ初放送で、「チェンライの娘」以外は未ソフト化作品だ。

さらに2月には、空族にまつわるオリジナル番組「いま、映画作家たちは2020-2021 空族にまつわるいくつかのこと」を放送。同番組内では、俳優、評論家、ミュージシャン、文化人たちへのインタビューを通して、空族の“今”に迫っていく。

放送スケジュールは、追って番組特設ページに掲載される。

いま、映画作家たちは2020-2021 空族の場合

日本映画専門チャンネル 2021年2月~3月
<2月放送作品>
「雲の上」
「国道20号線」
「サウダーヂ」
「いま、映画作家たちは2020-2021 空族にまつわるいくつかのこと」
<3月放送作品>
「チェンライの娘」
「バンコクナイツ」
「典座 -TENZO-」

空族 コメント

わたしたちが空族と名乗り映画を作るようになって20年が経とうとしています。当時はまだ、映画はフィルムで撮られるべきもので、ビデオの画質は映画に耐えうるものではありませんでした。当然、それまでわたしたちが観てきた映画はすべてフィルムで撮影されたものばかりでした。そんなわたしたちが映画を作りたいと当時選んだのは8ミリフィルムでしたが、それは資金力のないわたしたちの手に届くのが8ミリフィルムしかなかったということでもありました。もちろんビデオという選択肢もありましたがそれはわたしたちにとって映画ではありませんでした。とはいえ、8ミリ映画が劇場公開されるということもまたあり得ません。それでも作りたかったのが「雲の上」(2003)という作品です。つまり「雲の上」は劇場公開されていない初期作品ということになります。
時代はデジタル化を推し進めます。カメラなどの機材もデジタルが登場、劇場にもビデオプロジェクターが設置されはじめますが、空族はその流れにあらがうように、「国道20号線」(2007)を16ミリフィルムで撮影します。そして「サウダーヂ」(2011)を35ミリフィルムで完成させる頃には、世の中からフィルムというものが消えようとしていました。気が付けばわたしたちは自らの作品のソフト化も拒んできましたが、これはいうまでもなく、レンタルビデオ時代にあらがう態度でした。つまり、これまでの空族にとって映画とは、フィルムであり、劇場で観るべきものだったのです。しかし時は更に大きく進みました。「バンコクナイツ」(2016)、「典座 -TENZO-」(2019)は最初から最後までデジタルビデオで完成させたものです。そして、これまで劇場を守ろうとソフト化を拒み続けてきたわたしたちが、作品の放送に踏み切ったというのはもちろん、コロナウィルスの世界に与えた影響の大きさというのがあります。そして、このことはわたしたち自らにとってもひとつの大きな区切りにもなりました。いずれにせよ、わたしたちの作品が、これまでにない規模でたくさんの観客の目に触れる機会になることを望みます。そして、その機会を与えてくださった日本映画専門チャンネルに心から感謝致します。

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じろさん(じろともトン) @jirotomoton

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