EXILE松本利夫が崩壊寸前?井筒和幸8年ぶりの新作「無頼」初日レポ

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無頼」の初日舞台挨拶が本日12月12日に東京・K's cinemaで行われ、キャストの松本利夫EXILE)、木下ほうか中村達也阿部亮平、監督を務めた井筒和幸が登壇した。

「無頼」初日舞台挨拶の様子。左から井筒和幸、木下ほうか、松本利夫、中村達也、阿部亮平。

「無頼」初日舞台挨拶の様子。左から井筒和幸、木下ほうか、松本利夫、中村達也、阿部亮平。

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「無頼」ポスタービジュアル(昭和バージョン)

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本作は敗戦からバブル崩壊まで、激しく変転を続けた昭和の時代を生き抜いたヤクザ者たちの群像活劇。松本が主人公の井藤正治、柳ゆり菜が正治の妻・佳奈を演じたほか、正治の旧友で活動家の中野俊秋に木下、正治の兄・井藤孝に中村、井藤組の若手組員・坂田に阿部が扮した。またオーディションで集った総勢400名以上の俳優が出演している。

松本利夫

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「ガキ帝国」「パッチギ!」などで知られる井筒の主演という大役に松本は「もともと井筒監督の作品をほとんど観ていた大ファン。主演をやると聞いたときはうれしいと同時に、身が引き締まる思いを感じました」とオファーを振り返る。映画では20代から60代までの幅広い年代を演じ分けた。「20代、30代、40代はいける。いや20代は危ねえか(笑)。50代、60代では老けメイクをしたんですが、本当に繊細でクオリティが高い。自分でも鏡を見たときにショックを受けました……。こだわりの映像をぜひ楽しんでください」と鑑賞前の観客に呼びかける。

本作では老けメイク以外に、準備に3人がかりで7時間かかったという刺青のメイクも。松本は「夜の24時にペイントが始まり、朝の7時に撮影開始。そこから夜中の24時まで撮影して……というのが続いて。坊主にされて素っ裸でケツの穴を見られるシーンの撮影があって、そのときだけは人間崩壊するんじゃないかというぐらい『俺は何をしてるんだ?』と思って撮影してました(笑)。そんな大変なシーンがいっぱいある、こだわり抜いた作品です。一番エネルギッシュな監督に負けないようキャスト陣はしがみついていました」と笑い混じりに振り返った。

左から井筒和幸、木下ほうか。

左から井筒和幸、木下ほうか。[拡大]

左から松本利夫、中村達也。

左から松本利夫、中村達也。[拡大]

阿部亮平

阿部亮平[拡大]

「ガキ帝国」で俳優デビューし、井筒と40年親交のある木下は「インテリは難しくて、正直、今回の役は断りたいと思ってました。正治の目立った子分とかをやりたかったんですが、監督は『お前はそんな役ばっかだからあかん』と(笑)。助監督がリハーサルに付き合ってくれて、なんとかできました」と現場を回想。普段はミュージシャンとして活動している中村は「周りは役者の方ばかりで現場になじめない(笑)」と素直に告白しつつ、「監督も恐ろしいと思っていたんですが、優しく演技指導をしていただいた」と感謝を伝える。井筒組は2回目となる阿部は、その特徴を「役者に優しい。いいのが撮れるまで粘ってくれる。観たらわかると思うんですが、画面上でみんなが生き生きしていると思います」と語った。

井筒和幸

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「黄金を抱いて翔べ」以来、8年ぶりの新作映画となった井筒は「映画ってね、本当に難しい。いつも悩んでる」と制作を振り返りつつ、大きな影響を受けた「仁義なき戦い」にまつわるエピソードを話し始める。「1973年、ちょうど20歳ぐらいの頃に道頓堀の映画館でやっていたオールナイトに行ったんですよ。ものすごい熱気で、チンピラの描写がすごくてね」と述懐。さらに「最後に、深作(欣二)さんが登場して『本日はどうもありがとうございました』と一言だけ。シーンとするかと思ったら、劇場にみかんは飛ぶはのやんやの喝采。観たあとの興奮が一際違う。俺は無職の何も方向が定まらないプー太郎でどうやって生きていこうか、とんでもなく迷走していた頃ですよ。深作さんのあの一言で『映画を作ってやろう。しかもヤクザ映画を作ってやろう』と思ったんですね。考えたら47年も経っていました。今日ふと思い出したんです。本日はどうもありがとうございました」としみじみと述べ、イベントを締めくくった。

「無頼」は全国で順次ロードショー。

※「無頼」はR15+指定作品

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(c)2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム

読者の反応

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村川康敏 @highlightsfact

脚本講座の同級生、佐野宜志のデビュー作。当時、大学生だった彼は長年の苦節を経験して、いよいよ晴れの舞台を迎えた。石の上にも十年。脚本家志望の皆さん、観てね。

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