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引っ越しを目前にした笹谷一家が体験する思いもよらぬ祝祭を描いた本作。家を出た元妻・昭子役の南は「去年の夏くらいに撮影していたときは、こんな世の中になるとは夢にも思いませんでした。つらい現実の中でひと時の山本政志ワールドに飛んでいってくださればうれしいです」と観客に語りかける。そして「私自身も1つ、2つ、3つくらい自分の殻を破りたいなと思い参加しました。現実離れした内容なんですが本当のファミリーのような連帯感があって楽しかったです」と撮影を振り返った。
夫・修次役のいとうせいこうは、昨今の隙あらば感動させようとするエンタテインメントに言及しつつ、「僕自身もそういうものに反発しながらも毒されてたんだなと、この映画に出て思いました。『これが僕たちの現実なんだ! これが世界だ!』と。だから『全然感動しないから一緒に観に行こう』って誘ってください(笑)」と逆アピールする。すると南は「通り一遍のことを言ってしまった自分が恥ずかしい……」と恥じ入り、「この映画には『よい子の皆さん、絶対に真似しないでください』ということがふんだんに盛り込まれています」と改めて本作を紹介。いとうも「一言で言えば“不要不急”です!」と続け、2人の自由なトークに会場は大いに盛り上がった。
息子・ゆうた役の田本は「お父さんとお母さんが全部話しちゃった」と圧倒されながら、いとうの言葉を受け「でも、これが現実なんだってことは今やっとわかりました」とコメント。南に「現場では一番しっかりしていたのに、今何もわかってなかったということに衝撃を受けてます(笑)」とツッコまれると、田本は「え? わかってたんですか?」とキャストを見回し、いとうから「わかってなかったよ!(笑) 映画になって初めてわかったことは僕もあります」とフォローされる。続いて娘・あかね役の小川は「好きなものや面白いことって説明を求められがちですけど、この映画のような説明できないものを目の当たりにしたときに、こういうものが一番大事なんだって思いました」と感想を語った。
山本は「最近は細かいことにうるさいんで、そういう世の中をシカトして楽にした映画を作りたいってところから始まったんだよね」と製作のきっかけを明かす。また「素晴らしいキャストに感謝です」と話した山本は、「南さんは『監督ー!』ってたくさんアイデアを持ってくるのが肝試しみたいですごく楽しかった」「いとうさんは演技の修正力が半端ない」とキャストたちを称賛。さらに山本が田本を「1人のシーンと家族のシーンで芝居が変わる」と褒めると、南が「未祐ちゃんはダンスが素敵だった」と続け、山本は「この褒め合い、素晴らしいね(笑)」と和やかに舞台挨拶をまとめた。
「脳天パラダイス」は11月20日より東京・新宿武蔵野館ほか全国でロードショー。
※「脳天パラダイス」はR15+指定作品
※動画は現在非公開です。
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南果歩、いとうせいこうが共演作を逆アピール「絶対に真似しないで」「不要不急です」
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