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本作は1974年に東京・銀座に設立され、2019年に創立45周年を迎えたレコーディングスタジオ・音響ハウスにスポットを当てたドキュメンタリー。音響ハウスの代表でもある高根は、本作が制作された経緯を「最初はスタジオをアピールするものが何かできないかなと思ったのがきっかけでした」と語り、「映画を作ろうなんて大層なことは考えず、若い人たちに向けたリクルートビデオみたいなコンテンツを作ろうと。相原監督にも相談していたらあれよあれよと月日も重なり、このような映画ができあがってしまいました」と振り返る。
本作にはエンジニアをはじめとした音響ハウススタッフのほか佐野元春、矢野顕子、松任谷由実、松任谷正隆、坂本龍一らも出演。相原は「もともと音響ハウスを使用していたアーティストの方々を紹介いただいたんですけど、これだけ素晴らしい人たちが実際に出演してくださった。やっぱりとてつもないスタジオだなと思いました」と感想を漏らす。
主題歌「Melody-Go-Round」は佐橋と飯尾が発起人となり結成したバンド、HANA with 銀音堂が担当。大貫妙子、葉加瀬太郎、井上鑑、高橋幸宏らが参加している。佐橋は「スタジオを主人公にした映画というのがとても珍しいものだし面白いと思いました」と思い返し、「このスタジオの歴史とたくさんのアーティスト、先輩方のエピソードを映画の中で取り上げるというお話を聞いて、だったら現在進行形のものを何かやれたらいいねと。それで主題歌を作って、レコーディング風景も撮ることになりました」と述べた。
主題歌を作るにあたり意見を求められたという飯尾は「高橋幸宏さんは付き合いも長いので困ったら僕に聞いてくる。僕も鍛えられました」と言及。HANAは「最初は緊張したんですが、素晴らしい人たちに囲まれながら歌うことができたのでとてもいい勉強になりました」と述懐する。それを受け佐橋は「飯尾さんからHANAさんを紹介してもらったんですが、彼女の声がなかったらこういうふうにはならなかった。HANAさんの声があったからこそ大貫さんの歌詞も生まれた」とたたえた。
最後に佐橋は「本当にこの作品に関われたことをうれしく思います。40数年、愛されている音響ハウス。僕自身も一番通っているスタジオなんですけど、老舗料理店の厨房をのぞいちゃったような映画だなと。そういうところが音楽ファンのみならず、皆さんに楽しんでいただけるところじゃないかと思います」とアピール。相原は「映画っていうのはみなさんに観ていただいて初めて成立すると思っているので広げていただけたらと思います」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「音響ハウス Melody-Go-Round」は全国で順次公開。
岩本太郎 @iwamototaro
ドキュメンタリー「音響ハウス」はリクルートビデオの予定だった?高根護康が裏話披露 https://t.co/HxELRsiqWJ