「霧のむこうのふしぎな町」「地下室からのふしぎな旅」で知られる柏葉幸子の児童小説「
2016年に野間児童文芸賞を受賞した原作は、東日本大震災で大きく運命が変わった女性たちの不思議な共同生活を描いた作品。タイトルに含まれるマヨイガとは、“訪れた人をもてなす家”などさまざな意味を持つ岩手県の伝承のこと。映画では居場所を失い、海の見える古民家“マヨイガ”にたどり着いた17歳の少女を主人公に、血のつながらない新しい家族との不思議な共同生活がつむがれる。
アニメーション制作を担当するのは、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズを手がけたdavid production。このたびYouTubeで解禁されたティザーPVでは、主人公の少女が物語の舞台である岩手の古民家マヨイガを訪れる様子が切り取られた。同県出身のフジテレビアナウンサー久慈暁子がナレーターを務めている。ビジュアルには「子狐岬、4SLDK、平屋一戸建て」というコピーも。
2021年に公開される「岬のマヨイガ」は、東日本大震災から10年の節目にフジテレビが被災地を舞台とするアニメーションを制作する「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」の1作。ほかに宮城・岩沼などを舞台にしたテレビアニメ「バクテン!!」、福島・いわきを舞台にした劇場アニメ「フラ・フラダンス」がある。柏葉、川面、吉田、久慈によるコメントは下記の通り。
柏葉幸子 コメント
東日本大震災から十年がたとうとしています。
あの恐ろしさ、悲しさ、辛さを、被災されたみなさんには、はやく忘れて欲しいと願い、
忘れてはいけないと自分に言い聞かせるという日々だったと思います。
被災地といえば三陸でしたのに、この十年の間に、日本中に被災地と呼ばれる地があり、今はコロナ禍です。
心の中に明るい思いが欲しいです。
遠野物語のマヨイガは、山で道に迷った人をマヨイガが幸せにするというお話です。
本家のマヨイガのように、「岬のマヨイガ」も、出会った人を幸せにしてくれるはずです。
明るい幸せな思いで心が満たされる。そんな素敵なアニメーション映画にしてくださると確信し、感謝しております。
狐崎のマヨイガに会いに行ってください。
川面真也 コメント
おいしいごはんと、隣にいる人の笑顔。
いい香りのお茶と、楽しい会話。
家族という言葉に縛られない、あたたかなつながり。
「岬のマヨイガ」はその心地よさを必要とする人たちが出会う家です。
疲弊した心に弾力をつけて、自立へと踏み出す場所です。
ぜひ劇場で柔らかな風景と音楽に包まれて、彼女たちと一緒にマヨイガへと足を踏み入れてみてください。
吉田玲子 コメント
今に迷い、未来に迷い、過去にも迷いを残しながら、人は生きているのかもしれません。
原作を拝読し、そんなことを考えました。
迷いながらも、ここから始めたい……ここに戻ってきたいと思える、家のような作品になればと思っております。
久慈暁子 コメント
鮮やかな緑の中の大きな茅葺き屋根の家。
土間に靴を脱ぎ捨て、畳の上で寝そべる少女に、
岩手出身である自分の姿を重ねました。
まるで草の香りや川のせせらぎまで聞こえてくるようです。
様々な伝説が生活の中に溶け込み、
私たちを優しく包み込んでくれる岩手の自然を舞台にした作品の
PVナレーションを担当させていただき、
とても嬉しく思っています。
シナリオ公募ナビ @scenarionavi
柏葉幸子の児童小説『岬のマヨイガ』がアニメ映画化。脚本は吉田玲子が担当(映画ナタリー) https://t.co/jV6fRLpLEo