一挙放送のラインナップには、齊藤と芸人の永野が企画・プロデュースしたブラックコメディ「
齊藤は今回の特集について「僕を見続けるものではなくて、1つ1つクリエイティブファーストで作ったという自負のある作品ですし、当然僕が出ていないものもあるので、製作のプロセスを超えて、その作品単体がどれだけ見た方に対してエネルギーを持っているかを、厳しくジャッジして欲しいです」と語った。
「ノンフィクションW 齊藤工 DEAR FILMS…」放送記念!クリエイター 齊藤工
WOWOWプライム 2020年10月25日(日)18:15~
<放送作品>
「COMPLY+-ANCE コンプライアンス」
「バランサー」
「半分ノ世界」
「サクライロ」
「映画の妖精 フィルとムー」
「ノンフィクションW 齊藤工 DEAR FILMS…」
「MANRIKI」
齊藤工 コメント
コロナ禍での映画と、日本の映画産業について
コロナ禍を経て映画における概念で一番変わったのは時間だと思っていて、僕もサブスクやYouTubeをザッピングしたりして、短く濃くというか、エスプレッソみたいに選択して、これ薄味だからいいやとか、長いからいいやとか。なんかこれよりもっと必要なものがあるんじゃないかっていう、激戦区になってきている気がするんですよ。
クリストファー・ノーランの新作と学生映画では、(映画を見るのに)投じる時間は一緒じゃないですか。その価値をどう捉えるかっていうこととか、自分の人生の時間と映像を体験するっていう時間の折り合いのつけ方が変化している気がします。
全ての映像作品が、より厳しい中でしのぎを削る時代に突入している気がして、これは僕はいいことだと思っていて、その分クリエイティブの感覚・価値観は上がらざるをえないですよね。
映画祭に行って思いましたけど、フランスとか韓国とか、観客のIQがすごく高いんですよね。文句言いながら映画観る人がいたりとか。そういう観客の意識を、企画段階でフィルムメーカーの製作陣がより強く意識するっていうことがすごく大事で。自分自身にも言えるんですけど、日本で映画を作る人達は企画段階で、クリエイティブファーストというよりは、特にキャスティングとかで、この人のファンの人達が見るだろうという産業的な発想で、損しないプロジェクトにしている映画が多いと思っているんですね。厳しい観客を設定して始まるものでなければ、日本の映画業界の進化はないのかなと思っています。
今回の特集について
10月25日(日)のWOWOWの特集は、自分の時系列のようなラインナップですよね。
よくWOWOWの特集を見るんですけど、タテ軸で見る時に、結構胃もたれしてしまうことが多くて。同じ役者さんを見続けるということが、もちろん面白い見方でもあるんですけど、それにほぼ半日費やせるかという所は正直疑問に思っているところもあったので。
ただ、今回の特集は僕を見続けるものではなくて、1つ1つクリエイティブファーストで作ったという自負のある作品ですし、当然僕が出ていないものもあるので、製作のプロセスを超えて、その作品単体がどれだけ見た方に対してエネルギーを持っているかを、厳しくジャッジして欲しいです。
モノの捉え方というのは、時代がざらつくとともに目線が厳しくなるので、僕の今回のラインナップはどう映るかわからないんですけど、僕の中では抽出したものではあるので。むしろ僕のことなんて興味のない人達とかに作品を見てもらって、ディスっていただくのも大いに構わないですし。
ただ作品に関わってくれた役者さん達、スタッフさん達、配給や宣伝の方達に対して、申し訳ないという気持ちはどうしてもあるので、僕が自分の作品を卑下するのはよくないですし、1個1個自信作です、というのは胸を張って言えます。これは僕の才能でもなんでもなくて、チーム編成のおかげです。映画を作るということは、自分なりのアベンジャーズを作ることなんですよね。時として誰かのアベンジャーズの1人になれる可能性を持っているのであれば、僕は協力させてもらうということなので。
作品を見て何かを感じてもらうってことが本当にご褒美になりますので、ご覧いただけたら嬉しいです。
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