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桜木紫乃の直木賞受賞作を実写化した本作。北海道の湿原に建つラブホテル・ホテルローヤルを舞台に、日常を離れてホテルを訪れる男女や、問題を抱える経営者家族、従業員それぞれの人生模様が描かれる。伊藤は、両親に見捨てられ行き場をなくした自称“ホームレス女子高生”まりあを演じた。
武が総監督を務めた「全裸監督」にも出演した伊藤。まりあ役に彼女をキャスティングした理由を、武は「はじめから沙莉しかいないと思っていました。原作を読んで、まりあが担任の高校教師を“せんせぇ”と呼ぶ声が、すでに頭の中で沙莉の声になっていたんです。彼女の声で再生されたように感じたことが、オファーのきっかけです」と明かす。
伊藤は武の演出を振り返り、「ずっと口を開けているなど、とにかく無駄な動きをしてと。だから、観ている人にはまりあという役がちょっと能天気で少しバカっぽく映ると思います。私もはじめはなんでだろうと思ったけど、彼女の役はそういうふうに見えれば見えるほど、切なく感じさせることができるとわかりました」と述べる。また「監督はいつも私たち役者に少しだけ余白を残してくれます。撮影現場で“まりあは親が出て行って、誰もいない家に帰ったときどんな気持ちだったんだろうな……”とまりあの気持ちを私の中で膨らませられるような言葉をそっと投げ掛けてくれました。こういう気持ちだったんだ、と限定せずに、役者自身に役の内面を想像させる機会を与えてくださるんです」と語った。
「ホテルローヤル」は、11月13日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
しんや @shinyaa31
伊藤沙莉キャスティングの理由は声、「ホテルローヤル」武正晴がオファー秘話明かす https://t.co/VAoFhVM9sc