なら国際映画祭2020にて、審査員を務める映画監督・
2010年に河瀬直美が立ち上げた、なら国際映画祭。今年は奈良市内で9月18日に開幕し、22日まで展開される。インターナショナルコンペティション部門審査員の行定は、ここまでの印象を「歴史的な街をフル活用し、映画祭という枠組みの中に、それ以外の文化も体感できる機会を組み込んでいるところが素晴らしい。奈良の方たちにとっては日常的でも、僕らにとっては街の灯りの下に鹿がいるだけでファンタジックに感じられる。懐古的な街並みの中に古来からの生き物が存在している画が、映画的で美しいですよね」と話した。
くまもと復興映画祭のディレクターを務める行定。コロナ禍の影響を受け、4月に予定していた同映画祭の開催を10月に延期した。それでも行定は、映画にとってはこの状況も“チャンス”だと思っているそう。「コロナ禍であるからこそ、人々が今、自分の生き方を見つめていますよね。それは、人々の映画に対する理解が深まるチャンスだと思う。だからこそ、このなら国際映画祭のように、今映画祭を敢行することが非常に大事」と述べた。
監督作「窮鼠はチーズの夢を見る」が9月11日に封切られたばかりの行定が、今一番撮りたいテーマは“日常”だという。「日常って簡単に言ってしまうけど、世の中の人がそれを『どうでもいいこと』に変換していなかったか?と考えさせられました。ないがしろにされている事象がたくさんあったな、と。“日常はどうでもよくないのだ”と伝えられるような作品を撮りたい」と語る行定は、さらに「『窮鼠はチーズの夢を見る』もそういう類の映画だったと思います。性別は関係なく、“人を受け入れること”をおざなりにしていた人たちが、それについて考えてみるというストーリー。人によってその対象は変わりますが、今書いている新作の脚本もそんな内容です」と続けた。
今後のなら国際映画祭に期待することについて聞くと、行定は「もっとたくさんの観客が、能動的にこのイベントに触れるようになってほしい」と回答。その理由を「映画祭でかけられる作品って、シネコンで上映されるような“ヒットしなければならない作品”とは違いますよね。芸術性があって、人間の多様性を認めてくれるような映画なんです。映画祭には、普段の自分が絶対に選択しないような作品が用意されているはず。それに触れることで映画や文化への理解につなげられるので」と語った。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
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なら国際映画祭2020、審査員の行定勲が「コロナ禍は映画にとってチャンス」 https://t.co/wJWVgB7Kjf