これまでオリジナルストーリーの長編作品を手がけてきた西川にとって、「すばらしき世界」は初めて自身以外の作家による小説がベースとなっている。佐木の訃報を新聞で知ったという西川は「記事の中で、佐木さんをよく知る作家の方が、佐木さんの真骨頂は非常に有名な『復讐するは我にあり』よりも『身分帳』ではないかと書かれていたんです」と原案小説を手にした理由を話す。「これは自分で探しても見つけられるテーマではないと思いました」と映画化するに至ったと説明。また「17歳のときに、役所さんが連続殺人鬼の役をやられたテレビドラマを観て、いたくショックを受け、それがきっかけでものを書く仕事に就きたいと思うようになりました」と明かし、一念発起して役所にオファーしたと続けた。
役所は「原案小説『身分帳』と西川監督が書いた脚本を比べて読みながら、三上という男を探し求めていました。しかしこの男がなかなかつかめなかった」と役作りに苦労した様子。「撮影が始まってから、ワンシーン撮ったものがまた次のシーンのヒントになり、少しずつ三上という男に近付いていく感じがありました」と撮影を振り返った。またトロント国際映画祭のプログラミングディレクター、ジョバンナ・フルピは、本作を「脚本が非常によく練られ、ストーリーが感動的。見事に質感がありリアルに感じられる。役所は、役の解釈がとても素晴らしくニュアンスと個性が豊かでカリスマ性を感じる」と絶賛している。
あわせて特報映像がYouTubeで公開に。優しくてまっすぐな性格だが元殺人犯である三上と、それをネタに食い物にしようとするテレビマンの姿が映し出される。三上にカメラを向けるテレビマンを
「すばらしき世界」は2021年2月11日に全国で公開。
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