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内田のオリジナル脚本を実写化した本作の主人公は、トランスジェンダー女性として体と心の葛藤を抱えながら生きる凪沙。彼女が親からの愛を受けずに育った中学生・桜田一果と出会い、母性に目覚めるさまが描かれる。
イベントでは草なぎたちの登壇に先立ち、925秒の新たな予告編が上映された。MCがこの予告編を「世界最長の予告編」と紹介すると、草なぎは「そんなに見せちゃっていいのかなと思いました。でもたくさんの方の目に止まることによって、1人でも多くの方に関心を持っていただけたらうれしいです」とほほえむ。内田は「最初に(予告編の)お話を聞いたときは、本気?と思いましたけど、今の時代ならありじゃないかと思いました。草なぎさんと樹咲ちゃんの表情がとてもいいので、長めに見せることで皆さんを劇場に誘うことができるんじゃないかと思います」と自信をのぞかせた。
凪沙を演じるにあたって、一果役の服部に助けられたという草なぎ。「樹咲ちゃんがカメラの前に立つと一果そのもの。僕もいろいろ考えてきたことはあったんですが、考えて演じるのではなく、樹咲ちゃんの目を見て演じようと思いました」と振り返る。本作で女優デビューを果たした服部は「監督には、自然な感じで演技をしすぎないようにとアドバイスをいただいていたので、ありのままの姿を見せられるようにがんばりました」とはにかむ。そんな彼女を見て草なぎは「今までいろんな作品に携わってきましたけど、演技とは経験じゃなくて、佇まいが大事だと思いました。樹咲ちゃんが僕をゼロに戻してくれて、今までで一番無意識の状態で演技ができたんです。草なぎ剛、エピソードゼロです」と述べた。
一果が通うバレエ教室の先生・実花を演じた真飛は「レッスンのときは厳しいけど、鬼教官ではなく人間味あふれるような人物に見せるのが難しかったですね。でも、凪沙さんと一果ちゃんと自然に絡むことで、私も考えすぎずにその場にいられた気がします」と語る。内田はバレエ経験者である真飛の演技を「手と脚だけ吹き替えることもあるんですが、実花役は経験者の方で、とお願いしました。バレエは経験者とそうでない方の違いがすごいので、真飛さんにお願いしてよかったと思います」と称賛した。
自身のオリジナル脚本が実写化されたことについて内田は「オリジナル作品を映画化することはとても難しいんです。草なぎさんが脚本を読んでくださって、出演してくださるとお聞きしたときは『マジ?』と思いました」と当時の心境を語る。草なぎは「原作のある作品ももちろん大好きですが、オリジナル脚本の良さが出ている作品だと思いました。すごく映画っていいなと思わせてくれる作品です」と思いを述べた。
草なぎは本作の撮影を「楽しかったです。凪沙という役のすべてをスタッフの方々がとても愛してくれました」と回想。内田は、スタッフを凪沙班と一果班に分けたことで、“派閥”が生まれたことを明かす。「みんなそれぞれ感情移入が半端ないので、編集で凪沙のシーンをカットすると、凪沙班のスタッフに『なんでそこカットするんですか?』と言われたり(笑)。芝居を見ながらスタッフがすごく泣いていて、僕の現場であんなにスタッフの涙を見たのは初めてだったと思います」と話した。
「ミッドナイトスワン」は9月25日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。
※草なぎ剛のなぎは弓へんに前の旧字体、その下に刀が正式表記
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