青山真治7年ぶりの長編映画で多部未華子が主演、岸井ゆきのや岩田剛典ら共演

「EUREKA ユリイカ」の青山真治が7年ぶりに監督した長編「空に住む」の公開が決定。多部未華子が主演を務めていることもわかった。

この映画の原作は、作詞家・小竹正人の小説「空に住む」。劇中では、郊外の小さな出版社に勤める主人公・直実が、叔父夫婦の計らいでタワーマンションの高層階に引っ越すことから物語が展開していく。同じマンションに住むスター俳優・時戸森則と出会い、夢のような逢瀬に溺れながら、仕事、人生、愛について悩み続ける直実の姿が描かれる。さらに直実を軸に、彼女を取り巻く女性たちの機微や葛藤を、エチュードのように映し出す。

両親が急死し孤独を抱える直実役で多部が主演を務める。そして直実の後輩である“訳あり妊婦”愛子に岸井ゆきのが扮し、直実の世話を焼く叔母・明日子役で美村里江が出演。直実と男女の関係になっていく“悪い男”なスター俳優・時戸には岩田剛典（EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE）がキャスティングされた。さらに直実の叔父役で鶴見辰吾、出版社の社長役で岩下尚史、直実の上司役で高橋洋が参加。愛子と関係を持つ作家・吉田を大森南朋、直実が出会う不思議な男性を永瀬正敏、タワーマンションのコンシェルジュを柄本明が演じる。また2013年に原作小説が刊行された際、セットでリリースされた三代目 J SOUL BROTHERSの楽曲「空に住む～Living in your sky～」が、本作の主題歌に使用される。

この発表にあたり青山は「脚本から公開まで足かけ四年、ああでもないこうでもない、それがダメならこうだ、もはや絶望という時期もありました。すると救いの神が舞い降りて、高層マンションのてっぺんからTake it easy manと厳かに言われるのです」と制作を振り返った。そして小竹は「忘れそうになっていた幸せと忘れてはいけない悲しみを思い出し、宝物がまたひとつ増えたような気持ちです」とコメントしている。

「空に住む」は10月23日に全国公開。

※高橋洋の高ははしごだかが正式表記

青山真治 コメント

脚本から公開まで足かけ四年、ああでもないこうでもない、それがダメならこうだ、もはや絶望という時期もありました。すると救いの神が舞い降りて、高層マンションのてっぺんからTake it easy manと厳かに言われるのです。だから私はこの映画を愛している。誰にもばれないように、ひとり静かに愛するのです。

小竹正人 コメント

無我夢中で書いた小説と泣きながら書いた歌詞が青山真治監督のおかげで報われました。原作に息を吹き込むかのように多部未華子さんが主人公を奥深く演じてくれています。忘れそうになっていた幸せと忘れてはいけない悲しみを思い出し、宝物がまたひとつ増えたような気持ちです。映画制作と主題歌制作に関わってくださった全ての方に感謝します。