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イーピャオ原案による小山ゆうじろうの同名コメディマンガを、
2019年10月に約1カ月かけて撮影された本作。当記事では、都内のスタジオに用意されたしぶかつセットでの様子をレポートする。この日の現場には北村に加え、アゲ太郎の父・揚作役の
これまで「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY-リミット・オブ・スリーピング ビューティ」「チワワちゃん」など作家性の強い映画を手がけてきた二宮だが、過去には自主制作でコメディを作った経験もある。プロデューサー小原一隆からその腕を買われ本作の監督に抜擢された二宮は、メジャー規模でのコメディ制作にあたり「『リミスリ』『チワワちゃん』と近い方向性のものが続いたので、このお話をいただいたときは、新しいことができるかもしれないというワクワクがありました」と振り返る。コメディ初挑戦かつ映画単独初主演となる北村は「僕も2年くらいシリアスな役や内気な役が続いていたので、アゲ太郎のようにエネルギッシュでキラキラした少年は演じたことがなかったんです。だから挑戦できる機会だと思いました。毎日千切りも練習して、チャレンジングな日々を過ごしています」と笑顔を見せ、現場ではキャベツの千切りの腕前もしっかり披露していた。
この日撮影されたのは、YouTubeで自己流DJ動画がバズり、乗りに乗っているアゲ太郎が、ハイテンションでしぶかつの客に給仕するシーン。少し高めの声で役作りした北村は、二宮からアドリブを要求され「めしあがれー!」「カリカリのロース入りまーす!」とエキストラを煽っていく。二宮や小原は、現場での北村を「本当にいい子」「怒ったところは見たことがない。聖人君主みたい(笑)」と絶賛する。さらに二宮は、北村の役作りについて「アゲ太郎と本人のキャラは違うけど、純真な部分はリンクする。今回は、今まで見たことない北村くんになってほしいと思っています」と述べた。
そして「コメディ、めっちゃムズいです」と苦労を噛み締める北村は、アゲ太郎の幼なじみ“三代目道玄坂ブラザーズ”役の浅香航大や栗原類らとの会話を紹介しつつ「クランクインした当初はどこか構えていたんですが、三代目のみんなとごはんに行ったときに『これは考えてやるもんじゃない!』『感覚で行こうぜ!』って話したんです。朝起きて『観た人は笑ってくれるのかな……』みたいな無駄な不安があっても、1回トイレに流してから現場に来ています(笑)」と話した。
撮影で1日に100枚近くとんかつを揚げる日もあったというブラザートムは「とんかつを揚げたのは初めてです! こんなに揚げたこともなかったです。映画なので、手元だけの人(スタント)がいて、僕は適当にチャッチャとやるものかと思っていたんです。まさか(通算)400枚とか500枚も豚肉を揚げることになるとは。すごいことになっていましたね」と振り返る。現場では彼が、自身の調理したとんかつをエキストラに振る舞う場面もあった。
さらにブラザートムは「生活の中でも自分、親をやったことがないので。息子はいるんですけど、僕自身親父がいないので、よくわからない付き合い方をしちゃっていて」と告白。そしてアゲ太郎と揚作の親子関係について「自分の生活とは違い、厳しい父親をやってみています。でもやっぱり東京・渋谷の親子でいたいというのはすごくありますね」「渋谷という場所でとんかつ屋をやり続けてきて、周りのいろんなものや恋愛関係を見てきた親子でいたいと思いながら演じました」とこだわりを明かした。
「とんかつDJアゲ太郎」は10月30日に全国公開。
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