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中島みゆきの楽曲「糸」に着想を得た本作では、平成元年生まれの男女・高橋漣と園田葵の31年間が描かれる。本来は4月に封切りする予定だったが、コロナの影響で延期になっていた。漣役の菅田は「多いときは年間通してマックスで9本ぐらい舞台挨拶をやっていて、あんなに慣れていたはずなのに今日は久々で緊張しています。こういうタイミングで公開になったのは巡り合わせ。ありがたい気持ちでいっぱいです」と真摯に挨拶し、「4カ月公開が延びたという言い方もできますが、4カ月間この作品について考えられたと思っています」と述べる。葵役の小松は「この4カ月、人とのコミュニケーションが恋しくなる時間がありました。映画が公開されることは当たり前だと思っていましたけど、当たり前じゃないんだなって」と感慨深そうに言葉を噛み締めた。
中島から「決して悲しいだけのエンディングにしないでください。幸福な物語にしてくださいとメッセージがありました」と振り返る瀬々は「お盆の時期、家族に会いに行くのが難しい時代になってしまった。こんなときだからこそ、この映画の大切さを訴えられると思います」と力を込めて述懐。
続いて、映画の感想を問われた菅田は「ただただ楽しい映画も作れるんですよね。でも人の人生を平成を通して描こうとすると、震災のことは無視できない。いろいろなことを無視せずできあがった作品です。きれいごとだけ並べていないのがすごくいいと思っています」と口にする。「楽しいとき、苦しいとき、いろんな表情が描かれています」と本作の魅力を語るのは小松。「今は、人と会うことが当たり前ではなくなってしまっていますよね。会いたくても会えないし、会ってはダメという状況もあります。コロナを経たことによって、人と人とのつながりが大切だということをしっかり実感できたと思います」と続けた。
本作で3度目の共演となる菅田と小松。瀬々は撮影現場での2人を「ツーカーという感じ。休憩中は仲良くしゃべっているけど、馴れ合いにはならない。新しいところに行きたいと2人で挑んでる。おじさんながらそう思いました(笑)」と振り返る。菅田も「ツーカーですね」と同意し、「漣と葵の過去のシーンはありますが、僕ら2人は同じシーンがあまりない。過去作で学生も演じてきてるし、首絞め合ったり、唾かけ合ったりしてきたことが、この作品の中で生きてますね(笑)」とコメント。対する小松も「今までは激しい作品が多かったので、王道のラブストーリーでご一緒できてよかったです」と笑みをこぼした。
イベント中盤には、菅田と小松がお互いの“変化した部分”について語り合う場面も。菅田は「(小松は)いっぱい差し入れするようになりましたね(笑)。今まで共演した作品では余裕がなかったと思うんです、そんなにしゃべることもなかったし。でも今回は、現場で周りをケアする主演感がありました」と褒め、「寒い日にエキストラの皆さんに豚汁を手配しようとしていて、できるキャリアウーマンでした!」と回想。照れた様子を見せた小松が「(菅田は)あまり変わったところはないですが、今回は父親の役だったので、毎日お父さんの顔をしていましたね。子供が好きだというのは聞いていたんですけど、父親の一面が見られました」と笑顔で明かすと、菅田は「かわいくてアドリブで鼻を食べてやろうかと思いましたね(笑)。本物のお母さんが見ているんでさすがにやめましたけど」とはにかんだ。
最後に菅田は「1つのエンタテインメントとして楽しんでいただければ。映画館でお待ちしてます」と、小松は「この作品を観て何が大切か感じてもらえればうれしいです」と述べ、イベントの幕を引いた。
「糸」は8月21日、全国でロードショー。なお、8月12日限定で全国350館の劇場で先行上映される。
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