特集上映「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」が10月から11月に開催。全ラインナップが発表された。
今年で7回目を迎える同特集は、1968年からスペインで行われているシッチェス・カタロニア国際映画祭の上映作品をスクリーンにかけるもの。ラインナップには「マーダー・ライド・ショー」「デビルズ・リジェクト/マーダー・ライド・ショー2」に続き、
なお高橋ヨシキは「スリー・フロム・ヘル」について「ロブ・ゾンビの脳内を直接プロジェクターにかけたかのような、特異な映像体験をもたらすものとなった」とつづった。
「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」は、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、愛知・シネマスコーレ、大阪のシネ・リーブル梅田で開催される。
シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020
2020年10月30日(金)~11月12日(木)東京都 ヒューマントラストシネマ渋谷
2020年秋 愛知県 シネマスコーレ
2020年10月30日(金)~11月12日(木)大阪府 シネ・リーブル梅田
料金:一般 1600円 / 大学・専門学生、シニア 1200円 / 高校生以下 1000円
<上品作品>
「スリー・フロム・ヘル」
「ザ・ヴィジル~夜伽~」
「とっととくたばれ」
「ココディ・ココダ」
「VS 狂犬」
「恐怖ノ黒電波」
高橋ヨシキ コメント
「スリー・フロム・ヘル」について
ロブ・ゾンビは自分が好きな映画を作り続けている。「自分が好きな映画」にするために、まずやるべきことは自分が好きで好きで仕方のないあれこれを作品内に過剰なまでに取り入れることだ。殺人ファミリー、ファイアフライ一家サーガの完結編となる本作もそのように作られており、その結果、本作はロブ・ゾンビの脳内を直接プロジェクターにかけたかのような、特異な映像体験をもたらすものとなった。そこはマンソン・ファミリーが、「女体拷問人 グレタ」が、ミケーレ・ソアヴィの「アクエリアス」が、サンタ・ムエルテとナイフ片手に手を取り合って踊り狂い殺しまくる、どぎつくカラフルでどこまでも「アメリカン」な地獄世界なのである。
「ザ・ヴィジル~夜伽~」について
「超正統派」と呼ばれるユダヤ教の一派は、(よく言えば)ミステリスで奇妙な生活を送っている。アメリカの「超正統派」のほとんどは本作の舞台となっているニューヨークに集中しているが、彼らは外界と隔絶した状況でカルト的なコミュニティを形成している(「超正統派」を追ったNetflixのドキュメンタリー「ワン・オブ・アス」は本作の良き副読本である)。「ザ・ヴィジル」の主人公は「外」の世界に対して怯えている。外界との関わりにおける個人的な、そして集団的な記憶が彼の恐怖の源泉なのだがーーだとしたら、実のところ、彼の「怯え」の構造は我々自身のそれとまったく同じではないだろうか? 「恐怖」は外部からもたらされるのだ。
ロブ・ゾンビの映画作品
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