西川美和「すばらしき世界」トロント映画祭へ、規模1/4となった狭き門を突破

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西川美和の監督最新作「すばらしき世界」の公開日が、2021年2月11日に決定。また本作のワールドプレミアが、第45回トロント国際映画祭で行われることがわかった。

「すばらしき世界」

「すばらしき世界」

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1991年に第2回伊藤整文学賞を受賞した佐木隆三の小説「身分帳」をもとにした本作。人生の大半を獄中で暮らした実在の男性をモデルに、出所後に戻った社会で必死に生きる男の姿を描き出す。13年の刑期を終えて出所した元殺人犯・三上正夫を役所広司が演じ、仲野太賀長澤まさみも出演している。

今年度のトロント国際映画祭は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、長編映画50本、短編映画プログラム5本と例年の4分の1程度の規模に縮小を余儀なくされた。そんな中本作は、西川の監督作としては3作品連続となる出品が決定。映画祭はカナダ現地時間9月10日から19日に開催され、受賞結果は最終日に発表される。なお英題は、劇中のセリフから引用した「Under The Open Sky」に決定した。

出品決定を受け、西川は「北米最大の映画祭であると同時に、市民や映画ファンと距離の近い、大好きな映画祭です。コロナの影響でたくさんの映画が人に観てもらう場を失う中で、『すばらしき世界』の招待を決断して頂いたことに、心から感謝しています」とコメント。役所は「まっすぐ過ぎて不器用な三上と本作を、是非楽しんで頂けたらと思っています」と話している。

西川美和 コメント

トロント国際映画祭には格別な思い出があります。「夢売るふたり」(2012)の上映中、ラスト20分のところで観客の目の前でフィルムが燃えたのです。映画は突然中断し、私は映写技師のところに駆け込み、スタッフは大慌てでしたが、応急処置で上映が再開されるまでの30分間、地元の映画ファンのほとんどが席を立たずに辛抱強く待っていてくれており、最後は同じ旅を終えた仲間のような拍手で迎えてもらいました。北米最大の映画祭であると同時に、市民や映画ファンと距離の近い、大好きな映画祭です。コロナの影響でたくさんの映画が人に観てもらう場を失う中で、「すばらしき世界」の招待を決断して頂いたことに、心から感謝しています。
今作も、“燃えるような”上映になりますように!

役所広司 コメント

(第50回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した)「うなぎ」で初めてカンヌ国際映画祭に参加しました。 その時、海外の観客と一緒に観て「こんなにも、笑ってくれるんだ!」って驚きましたが、この「すばらしき世界」にも、「うなぎ」と共通するような、ユーモアや笑えるところがあります。まっすぐ過ぎて不器用な三上と本作を、是非楽しんで頂けたらと思っています。

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(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

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