「沖縄戦」監督がイベント登壇、本作通じて「今の時代が見えてくる」

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ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」の初日舞台挨拶が本日7月25日に東京・K's cinemaで行われ、監督を務めた太田隆文が出席した。

「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」初日舞台挨拶に登壇した太田隆文。

「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」初日舞台挨拶に登壇した太田隆文。

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「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」ポスタービジュアル

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第2次世界大戦末期、住民を巻き込んだ激しい地上戦の舞台となり、20万人を超える戦死者を出した沖縄戦。本作は12人の戦争体験者と8人の専門家による証言、米軍が撮影した記録フィルムで構成されている。3年取材を続けたという太田は、沖縄戦がよく知られていない理由として教科書における扱いの小ささを指摘。「江戸時代、室町幕府などはやるけれど、沖縄戦なんて『太平洋戦争唯一の地上戦が行われた』の1行ですよ! だからみんな知らない」と話した。

また「真珠湾やミッドウェー海戦は、『トラ・トラ・トラ!』などの映画になっているからみんな知っている。原爆については、映画は黒澤明監督も作っていて、マンガでも『はだしのゲン』があります」と比較。「終戦記念日が近付くとスペシャルドラマがありますが、沖縄戦はほとんど取り上げられないんです」と言い、沖縄戦をテーマにした作品として「激動の昭和史 沖縄決戦」や何度もリメイクされた「ひめゆりの塔」があることを挙げつつも「でもこれは、映画ファンでもなかなか知らない」と説明した。

「本作を通して、沖縄戦の歴史がわかるだけでなく、今の時代が見えてきます。特に、コロナ禍で国や都がやっていることと、沖縄戦時代の政府がやっていたことはとても似ています」と話した太田。また当時のアメリカ軍は自分たちの分だけでなく捕虜の分まで食糧を持ってきていたと述べ、「映画の中で捕虜になった4~5歳の子供たちが出てきますが、みんな同じ服を着ています。アメリカ軍が用意していたからです」「記録フィルムのメイキング班とスチール班がいて、食事や重機を持ってきていて、そんな国と戦争したんだということも見えてきました」と語った。

太田は、この映画を観て出演者へ講演会依頼をしたいと考える人や、資料館を訪ねてみたいと思う人のために、施設の住所などを記載したパンフレットを制作したという。「戦争をしたいという政治家がたくさんいる今の時代、大きな企業がスポンサーだったら絶対にできなかった映画です。宣伝費も限られている作品なので、観て思うことがあったら、いろんな人に伝えていただければと思います」とアピールしてイベントの幕を閉じた。

宝田明と斉藤とも子がナレーションを担当した「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」は、本日7月25日よりK's cinemaほか全国で公開。

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太田隆文(映画監督) @ota_director

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