ローベルト・ゼーターラーの著書「キオスク」をもとにした本作。ナチ・ドイツとの併合に揺れるオーストリアのウィーンを舞台に、17歳の青年フランツと精神分析学者ジークムント・フロイトの友情が描かれる。フランツを
解禁となったのは、フランツが見習いとして働くタバコ店が何者かに荒らされる場面。店主オットーが開店のため店に訪れると、看板やショーウィンドウのガラスに白いペンキで“ユダヤ人御用達”と書かれている。ユダヤ人であるフロイトや、共産主義の客も受け入れていた同店をよく思わない隣の精肉店が密告したことによる嫌がらせだった。
本作は第2次世界大戦直前の時代が背景となっている。監督を務めた
プロデューサーのヤコブ・ポポラトコは「日々の暮らしの中にも、ひどい事態に至る小さな萌芽が根付いていることに気付いてほしい」と本作に込めたメッセージに言及。個人の生活が侵される様子を描いたこの場面は、すぐそこに迫る戦争の影と、やがてフランツに訪れる危機や決断につながる重要なシーンとなっている。
「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」は東京のBunkamura ル・シネマほか全国で上映中。
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第2次世界大戦の影が青年に迫る、「17歳のウィーン」本編映像(コメントあり)
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