本作の主な舞台である東京・下北沢に学生時代から住み続けており、自身のインディーズレーベル「ROSE RECORDS」や経営するカフェも同地に構えている曽我部。オファーを「監督から『下北沢を行き交う人たちの言葉や生活が体の中に入っていて、下北沢を一番知っている曽我部さんにぜひお願いしたい』という意向がありました」と振り返る。
音楽制作については「ギターを弾きながら一緒に作り上げていく中で、『これは永田のアコギなんだ』という行定さんからの言葉がありました」と回想。「永田の心情を曲にするのではなく、彼が立っている場所で自分自身が弾いている曲を、お客さんに外側から聴いてもらうことが必要だと気付いたんです」と語る。
これまで「青い車」「止められるか、俺たちを」などでも音楽を担当してきた曽我部だが、「“永田の心情を劇的に描くのではなく、永田がいる場所の曲を作る”ということ自体、そういうやり方もあるのかと勉強になりました。自分のエゴだけではなく、お客さんにどう感動してもらうのか、そこまでこだわって入り込まないと映画音楽はダメなんだと」と述懐。そして「映画音楽は機会があれば、これからもどんどんやりたいと思っています」と話した。
完成した映画について、曽我部は「演劇に夢を見た人たちが苦しみながらがんばっている姿が、かつての自分と重なりました」とコメント。「誰も認めてくれず、でもミュージシャンになりたいという夢だけはある。ああ、わかるなと思って観ていました」と本作に共感したことを明かした。
「劇場」は7月17日に全国で公開。同日にAmazon Prime Videoで配信される。
※山崎賢人の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記
行定勲 @ISAOYUKI
昔からサニーデイ・サービスが好きで、下北沢にある青春の残照のようなものを優しく包み込むような曽我部さんの奏でる音楽は最高です!是非、『劇場』の音楽も楽しみに!!
曽我部恵一が語る「劇場」の音楽制作、「エゴだけではダメだと気付いた」 https://t.co/jCl8tvySGl