1991年に第2回伊藤整文学賞を受賞した
役所が演じるのは、かつて殺人を犯し、13年の刑期を終えて出所した主人公・三上正夫。彼は社会から“置いてけぼり”を食らいながらも、まっすぐな性格で周囲の人々とつながっていくこととなる。また三上がテレビ局へ送った、刑務所内の個人台帳“身分帳”を手にする若手ディレクター役で
「いつか西川監督作品に参加したいと思っていました」と語る役所は、「男が出所してから見た私たちの世界は、本当にすばらしい世界なんだろうか? タイトルの『すばらしき世界』をお客様がどのように感じるのか? 楽しみです」とコメント。西川は「生々しくも温かい物語性と、役所さんの凄まじい人間的魅力に引っ張られ、濃密な人間ドラマが仕上がったと思います」と自信をのぞかせる。さらに西川は、新型コロナウイルスの影響で映画業界が苦境を強いられていることにも触れ「世界中の映画作品が息の根を止められつつある中で、完成にこぎつけられた幸運に感謝しつつ、この作品を一人でも多くの方に届ける方法を考え、『映画を観る』ことの豊かさを伝えていければ」と述べた。
「すばらしき世界」は2021年春に全国公開予定。
役所広司 コメント
いつか西川監督作品に参加したいと思っていました。
三上という得体のしれない男の役を頂きました。面白さと難しさを感じました。
今日撮影したシーンを明日撮るシーンの手掛かりにしながら、最後までこの男はどんな人間なんだろう?と自分に問いかけていました。
人生のほとんどを刑務所の中で過ごした男が出所してから見た私たちの世界は、
本当にすばらしい世界なんだろうか?
タイトルの「すばらしき世界」をお客様がどのように感じるのか? 楽しみです。
西川美和 コメント
「身分帳」は約30年前の小説ですが、これほど「人間と世間」を面白く描いた物語が埋もれていたとは、と映画化を決意しました。人生の大半を裏社会と刑務所で過ごしてきた主人公に役所広司さんを迎え、その男のやり直しの日々を現代に置き換えました。生々しくも温かい物語性と、役所さんの凄まじい人間的魅力に引っ張られ、濃密な人間ドラマが仕上がったと思います。
新型ウィルスの影響で、自由に歩き回ること、仕事を持つこと、人と触れ合いながら生きて行くこと、それらがどれほど得難いものだったかを実感する中で、ごく普通の人生を取り戻すことに四苦八苦する主人公が重なります。
世界中の映画作品が息の根を止められつつある中で、完成にこぎつけられた幸運に感謝しつつ、この作品を一人でも多くの方に届ける方法を考え、「映画を観る」ことの豊かさを伝えていければと思っています。
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岡田拓朗 @takuro901
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