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実際に起きた複数の少年事件に着想を得た本作は、いじめで同級生を殺害するも“不処分”となった不良少年グループのリーダー・市川絆星(きら)を主人公に、彼を取り巻く人々の姿を通して観る者の価値観や倫理観を問う物語。「ライチ☆光クラブ」「ミスミソウ」で知られる内藤が、「先生を流産させる会」以来8年ぶりの自主映画として制作した。
6月1日に封切られた本作。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、この舞台挨拶は有効な客席が半数に絞られ、登壇者全員がフォトセッション時以外はフェイスシールドを着用したうえで行われた。内藤は「主演の上村くんは映画初主演で舞台挨拶も初だと聞いていたので、本作でこうした場を設けてあげたいと思っていたのですが、コロナの影響でなかなか叶えてあげられず。今日こうして実現できたことがとてもうれしいです」とイベントの実施を喜ぶ。
上村は、公開初日に劇場を訪れたという家族とのエピソードを披露する。父親は映画を観た直後は作品について何も語らなかったそう。彼はそんな父から約1カ月後にもらった言葉を「『映画の中の父親の目線なのか、演じている上村侑の父親なのか、脳みその整理がつかなかった』と言っていました」と紹介した。
劇中で絆星の母親に扮した黒岩は「冬編は加害者家族として誹謗中傷や疎外感を受けるシーンだったので、孤独感が増していきつらかった」と述懐。さらに夜中から明け方まで同じ場所に座りタイムラプスで撮影を行ったシーンに触れて「あれはきつかったですね。本当に気絶できたらよかったのですが」と笑った。
最後に内藤は「本作をご覧いただいて加害者になるかもしれない怖さに向き合い、この問題を考えるきっかけになってもらえると幸いです」とメッセージを送る。上映後は劇場ロビーでパンフレット購入者に向けたサイン会が行われ、キャストやスタッフは安全に配慮しながら観客との交流を楽しんだ。
「許された子どもたち」は東京・ユーロスペース、大阪・テアトル梅田ほかで上映中。
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おおとも ひさし @tekuriha
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