本作は、山奥にある男子禁制の村に暮らす母娘の愛を描く物語。14歳の少女・奇稲(クシナ)を
予告編に切り取られたのは、人類学者の風野蒼子とその後輩・原田恵太が女だけの共同体に足を踏み入れ、クシナと関わりを持つ姿。そしてクシナの祖母・鬼熊が「男は認めん」「あの人はここにいるべき人間じゃない」と口にする様子が収められた。なお蒼子役の
「クシナ」は、7月24日より東京・UPLINK渋谷ほか全国で順次公開。本作は大阪アジアン映画祭2018でJAPAN CUTS Awardに輝いた。
稲本弥生 コメント
秘境の地に足を踏み入れる部外者、そこで出会ったまだあどけない少女に心を奪われ自身が抱いた事もない感情に戸惑いを隠せないという役柄で、先ず研究者としての部分は監督とも相談しリアリティの部分を埋めました。そして部外者としてどう村の女性達と関わるのかイメージを膨らませました。
自分自身も現在3児の母として育児奮闘中であり、我が子ほどの少女に惹かれる部分はなかなかの葛藤がありました。
この作品では3世代にわたり母と娘の葛藤を、無垢で不器用で狂おしいそんな歯痒さを美しい描写とともに描かれており、見る人の心の奥底を擽るような作品となっております。
ほろ苦い後味に浸って、大切な誰かを思って欲しいです。
小沼傑 コメント
ぱっと見ほんわかとした監督が打ち合わせで語る様に、作品への溢れる想いを感じました。ああ自分はどうすればその気持ちに貢献できるだろうか。女性だけの村へ立ち入る唯一の男として、構造的には目立ちつつも物語に沿った、主張し過ぎない人物を想像しました。裏側には、彼なりの人への尊重の仕方があるだろうと。
この映画に散らばるような歪みや偏りを、現実ではどう受け取るのか。近い関係だからこその摩擦。「私はあなたではないから、わからない。」で終わらずに、「だから想像する。」と言えれば。先に闘いがあるとしても、常にそこから始めていきたいです。
小野みゆき コメント
初めて会った
人里離れた山奥で、本当に毎日走り回っているかのような自然児に見えました。
何の気負いもなく、感じたまま、素直にセリフを話すのも驚きました。
無垢なクシナそのものだったからです。一見か弱く見えるけれども、そんな繊細さの中に一本のキリッとした強さが見える、そんなところが監督の姿とも重なりました。
山村・そこを流れる川・広大な森・日本家屋、通常の撮影ではよく使うロケ場所ですが、どう撮ればこんな瑞々しい儚げな絵になるのか、完成した作品を観て不思議なのと同時に、作品に出演できた喜びを感じました。
映画ナタリー @eiga_natalie
男子禁制の村に秘密の少女…大阪アジアン映画祭受賞作「クシナ」予告編(コメントあり)
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