5月1日の封切りを予定していた「街の上で」は、
またこれに伴い、4月30日に開催される予定だった前夜祭イベント「OVER THE TOWN」も中止に。メール予約分はキャンセルとなり、会場窓口でチケットを購入した観客に向けては追って払い戻し方法が案内される。
公開延期にあたり、今泉からコメントが到着。公開を楽しみにしていた観客に向けて、「いつか必ず出会えますから。会いに行きますから。会いに来てくださいね。それまで生きましょう。来年もちゃんと年をとりましょうね」「ああ、悔しい。悔しいので、公開までの間にもたくさんたくさんみんなのこと楽しませます」とメッセージを送っている。
あわせて今泉は、窮状に置かれているミニシアターの支援も呼びかけた。映画ナタリーでは、全国のミニシアターの支援方法や署名運動に関する記事を公開中だ。
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今泉力哉 コメント
映画「街の上で」公開延期に際して
映画「街の上で」の公開延期が決まりました。
この映画の公開を楽しみにしてくれた皆様、また自分の街の映画館でかけると決めてくださっていた映画館関係者の皆様、本当に申し訳ないです。
私は延期したくなかった。
この映画の興行面や世の中の安全面、観客の健康面を考えたら、当たり前に延期が妥当だ。
そんなことはもう少し前からわかっていた。
でも、延期することで(しかもいつまでの延期かも見えない中での延期です)、今、手を挙げてくれている劇場のいくつかが公開時に姿を消してしまっているのではないか、というその一点においてのみ、延期がどうしても嫌だった。
映画館が潰れてしまう。
それが悔しくて、どうしていいかわからない。自分の映画が公開されることで少しでも観客が映画館に集まって、それが映画館にとってプラスになるなら、と思ってしまっていた。
公開するからには多くの人に見てほしい。
満席にしたい想いだってある。でも、今、公開することで、もしかしたら地方の劇場にわざわざ映画を見に周辺の他県から人がやってくる可能性もある。それって今一番控えろと言われている首都圏からの帰省と一緒で、様々な交流を産んでしまう。それはコロナを流行らせる可能性もあるし、極端な話、自分の映画を公開することで人が死ぬ可能性だってある。
本当にどうしていいかわからなくて悔しくて泣きたいです。
当たり前のことだけど、「ぜひ映画を見に来てください」と大きな声で言えない中で公開に踏み切ることはできませんでした。それに今は、公開という形以外にもきっとミニシアターや映画館のためにできることはある気がします。
ミニシアター・エイド基金、SaveTheCinemaの署名活動、Save our local cinemasのTシャツ販売、アップリンククラウドによる支援、、、他にも各劇場の支援方法をまとめた入江悠監督のブログなどを参考に、何かしら皆様にも映画館を支援してほしいです。
映画「街の上で」の劇中には、下北沢の変わりゆく街並みについて、「変わってもなくなっても、あったってことは事実だから」という台詞があります。でも、なくなったら悲しい。「あった」じゃなくて「ある」の方がいい。変わらないことって、維持することってこんなに大変なことなんだなって本当に思います。
今までもこれからもありがとう、ミニシアター。大好きです。
映画「街の上で」の改めての公開時期は現時点ではまったく見えていません。
でもみんな、この映画のこと、忘れないでくださいね。
忘れてもいいけど、思い出してくださいね。
映画はすでに完成しています。だから、なくならないです。永遠に。
映画って残るから。
いつか必ず出会えますから。会いに行きますから。会いに来てくださいね。
それまで生きましょう。
来年もちゃんと年をとりましょうね。
ああ、悔しい。
悔しいので、公開までの間にもたくさんたくさんみんなのこと楽しませます。
宣伝部や配給部と相談して。
監督 今泉力哉
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nina @aftercoffeemint
そうですよね。そもそも、公開する劇場が休館してますしね。
https://t.co/44Yj1gyuOj