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毎熊と武田がダブル主演を務めた本作は、太古から続く諸手船神事(もろたぶねしんじ)が行われ、“神様に一番近い港町”と呼ばれる島根県松江市美保関町を舞台とするロードムービー。
このたびの舞台挨拶は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、無観客での開催となった。親戚から金を奪おうとする崖っぷちの男・ノボルを演じた毎熊は「映画業界に限らず、つらい思いをしている人がたくさんいると思います」と切り出し、「この映画に関して言えば、テアトルでの上映が終わっても現状に負けず進化してほしいと思っています」と真摯に語る。
ノボルとともに美保関町にやってくる恋人・ノリコ役の武田は「初日舞台挨拶がなくなってしまって……やるせない気持ちになりました。でもこのような場を設けていただいてありがたく思っています」と気持ちを吐露。そして「言葉にするのはすごく難しいですが……こんなときだからこそ映画という娯楽を必要としている人がいると思うんです。私もいくつか仕事がなくなってしまって、つらい思いをしているときに映画に救われました」と述べ、「映画館に来てくださいと言える状況ではありませんが、この映画が誰かの心のプラスになれば」と言葉を選びながら話す。
「島根の実家に帰るぐらいの気持ちで撮影したらこんなにすごい映画になって」と言って場を和ませるのは青山。岸は乱闘シーンの撮影を振り返り「女の人だと思って少し舐めていたら武田さんが格闘技をやられていたことをあとで知って…」と言って笑いを起こす。
笠木は「もともと短編だった作品が海外の映画祭でも賞をいただくまでに躍進しました。持っている作品だなと思っていたんですが、公開の時期にこのようなことになってしまって……。でも、今では時代の変わり目であるこのタイミングに観ていただけてよかったとも思っています」と心境の変化を伝えた。
イベント中盤には本作が世界の映画祭で数々の賞を受賞していることから、登壇者に賞状が贈られる場面も。終始緊張した面持ちだった毎熊、武田も賞状を受け取ると笑顔を見せた。
最後に武田は「3日で撮影した日本の小さな映画が、世界各国の映画祭に届けられたことをうれしく思っています」と思いを口にする。また毎熊は「映画作りが面白いのは想像もしていなかったことが現場で起こることです。この映画も生々しいものが撮れたと思っています。せっかく完成した『いざなぎ暮れた。』をどんな形でも観ていただけたら」と願いを込めた。
「いざなぎ暮れた。」はテアトル新宿、島根・松江東宝5で4月2日まで公開。
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新型コロナウイルス感染症の影響で無観客ではありますが、本日東京で舞台挨拶が行われました。
#奥村準也
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